福島県いわき市の化石が1600万年前の新属新種のクジラ フタバスズキリュウ発見者らが発表

 

新属新種と特定されたクジラの頭部の化石(画像の一部が加工処理されている)

 

2022/11/02 09:42

 

 フタバスズキリュウの発見者鈴木直(ただし)さん(71)=福島県いわき市=ら研究者3人は1日、いわき市で発掘した化石が1600万年前の新属新種のクジラだったと発表した。現在のナガスクジラを生み出した原始的な種類で、進化を考える上で重要な化石だとしている。

 1995(平成7)年の発掘から27年を要して研究成果を得た。新種とされた県産哺乳類化石の中では最古で、県内で発見されたクジラ類としては初の新属新種という。

 同市中央台高久地区の道路建設現場からクジラとみられる頭蓋骨や肩甲骨などの化石が見つかった。鈴木さんは群馬県の研究者2人と共同研究を進め、頭の骨にある独特な組み合わせを新属新種と断定する根拠とし、10月1日に古生物学会誌の電子版に発表した。

 発見場所にちなみ、「ジョウバンセタス パシフィカス」と学名を付けた。頭部は約1・5メートルあり、若年の個体と推察している。化石標本は市石炭・化石館ほるるに保管されている。市は今後、一般公開を検討する。

 鈴木さんは「長い時間がかかったが、化石の価値をようやく公表できた。県の宝だ」と話している。

 

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