福島県大熊町を音楽で彩る 町内の飲食店「レインボー」拠点に音楽愛好団体が盛り上げ

 

武内さん(左から2人目)からのアドバイスを受け、練習に励む「FRUITS」のメンバー

 

2023/06/27 10:00

 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被害を受けた福島県大熊町で地元の音楽愛好家による活動が盛り上がりを見せている。町内の軽食・喫茶「レインボー」を拠点に音楽団体「Rainbow Music Club」がイベントやコンサートで演奏を披露し、演奏者と観客が一体となって楽しんでいる。

 団体には農家や会社員、教育関係者など30人以上が所属しており、バンドやソロ活動を展開している。ポップスを中心に演奏するバンド「FRUITS」や、町の義務教育学校「学び舎 ゆめの森」の教職員でつくる「夢しかないバンド」などがある。仙台市や神奈川県などからの参加者もおり、県外から町に思いを寄せるメンバーも出てきた。

 「FRUITS」は、キウイやイチゴなどで知られる大熊町の特長をバンド名に込めた。ボーカルとキーボードを担当する町内の自営業佐藤亜紀さん(40)は「音楽がたくさん流れる町にしたい」と話す。今後は町内だけでなく、近隣の市町村にも活動を広げる。ゆめの森の児童生徒と一緒に演奏する計画も検討中だ。

 団体はレインボー店主の武内一司さん(70)が音楽で町を盛り上げようと、昨年3月に設立した。当初15人でスタートしたが、現在は倍以上に増えた。「町民らの生きがいづくりに取り組んでいる。幅広い年齢層の人が集まっており、音楽を通して交流を深めている」と意義を語る。

 

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