福島県南相馬市の国指定史跡「浦尻貝塚」展示施設22日から一般公開 断面と地表面組み合わせて展示
観察館に展示されている貝塚の発掘部分
2023/07/04 20:36
福島県南相馬市の国指定史跡「浦尻貝塚」にある縄文時代の貝塚を展示する施設は22日から一般公開される。断面と地表面を組み合わせた全国的にも珍しい展示手法で、発掘したままの状況を見学できる。史跡の公園化を進めている市は施設の完成に合わせ、公園の名称を「浦尻貝塚縄文の丘公園」と決定した。4日、報道機関向けに公開した。
施設は貝塚観察館と名付けられた。発掘現場から縦2・4メートル、幅3・7メートルの地表部分数ミリ分を剥ぎ取り、強化プラスチックで固定した。同様に深さ2・4メートルの断面部分も取り出し立体的に組み立て、周辺を建物で覆っている。露出した貝殻やイノシシの骨、クジラの骨を加工した祭り道具などを見ることができる。約5500~5000年前の縄文時代前期から中期に埋められたもので、当時の生活や文化をうかがうことができる。
浦尻貝塚は市内小高区の海岸近くにあり、約5700~2800年前までに造られた。広さ約7ヘクタールで土器や動物、魚の骨などのほか住居跡、墓が出土した。2006(平成18)年に国史跡に指定された。市は縄文時代の生活を体感できる公園の整備を進めている。2024(令和6)年度の全面完成を目指している。
貝塚観察館は22日から一般公開する。開館は午前9時から午後5時までで年末年始を除き無休。