恒例の「肉祭り」が13年ぶり復活 伝統の神楽も披露 避難指示解除の福島県浪江町津島地区
バーベキューを通して絆を強める参加者
2023/11/06 09:21
震災と原発事故発生後初めて浪江町津島地区で披露された南津島の神楽
福島県浪江町津島地区の恒例行事「肉祭り」は5日、町つしま活性化センターで開かれた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後初めてで、約13年ぶりの開催となった。住民らがイベントの復活を喜び、バーベキューなどを通して絆を強めた。
「さあ行くべ! つしま肉まつり」と題し、帰還した住民や、避難生活を送る町民らが集まった。国産和牛もも肉や野菜焼きを味わいながら、古里での思い出話に花を咲かせた。久々の再会を喜び、近況を語り合う場面もあった。
津島地区から福島市に避難する主婦の窪田たい子さん(67)さんは夫の和男さん(72)と一緒に訪れた。「(震災前)毎年参加していたイベントに来られて本当にうれしい。津島が盛り上がり、少しずつ復興が進んでほしい」と話した。
ステージイベントでは郷土芸能やライブなどを繰り広げた。津島地区の歴史を伝える写真も展示した。
町などでつくる実行委員会の主催。特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が3月に解除された地区内に、にぎわいを取り戻そうと開催を決めた。
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肉祭りでは地元の南津島郷土芸術保存会が地域に伝わる「南津島の神楽」を繰り広げた。古里での披露は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後初めて。
南津島の神楽は約250年の歴史を誇るとされる。道化役の「岡崎(ひょっとこ)」が出演し、獅子にいたずらをするなどして笑いを誘うのが特徴だ。震災と原発事故発生後は避難先の二本松市など県内外のイベントで披露し、伝統をつないでいる。
この日は地元住民らを前に、華麗な演舞を届けた。迫力ある獅子舞とユーモラスな動きのひょっとこが来場者を楽しませ、会場に笑顔が広がった。肉祭りの実行委員長で、ひょっとこを演じた三瓶友一さん(66)は「また津島で神楽ができて感無量だ。今後も長く続けて地域を盛り上げていきたい」と決意した。