【師走ひと模様】ドローンに願い託す 南相馬市 地域おこし協力隊の太向さん
ワークショップでドローンアート制作について説明する太向さん(左から2人目)
2023/12/03 09:59
ドローンが光を放って夜空に浮かぶ。離れては集う動きや光の点滅で物語を表現するドローンアートが南相馬市鹿島区の宝蔵寺で年末年始に実演される。市内小高区の市起業型地域おこし協力隊の太向弘明さん(28)が初めて披露する。
別れや社会の分断をテーマに、それでも共に生きていく人間の世界などを表現する。約5分の実演で物語を届けられるよう、演出を磨いている。
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東京都出身。2019年に東大大学院を修了後、約3年間、大手電機メーカーなどに勤めた。製造ラインの自動化などAI開発に携わる日々を過ごす中、効率化のみを追い求めることに疑念を抱いた。人と技術がよりよく関わる社会を目指し、ドローンをアートの分野で活用する可能性を探ろうと決意した。
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アートを通じたコミュニティー形成を目指している。誰もが得意分野を生かして作品に携わる「共創」を掲げ、ワークショップも始動させた。
実演の初披露を共創の実現に向けた第一歩と位置付ける。「人や地域の交流がより豊かになり、人が孤独を感じずに共に生きる世界につながってほしい」。ドローンの光に願いを託す。
■30、1、7、11日に実演
太向さんが手がけるドローンアートの実演「わかれ」は30日午後7時、1月1日午前0時、7、11の両日午後7時から、南相馬市鹿島区の宝蔵寺で催される。入場無料。動きをプログラムされた42機のドローンが夜空に物語を描く。詳細はインスタグラムアカウント @noa_gallery_fes から確認できる。