85チームが出場 13年ぶり「おおくま駅伝」 福島県大熊町

 

おおくま駅伝で、懸命にタスキをつなぐ選手

 

2023/12/17 21:00

 

 おおくま駅伝2023は17日、福島県大熊町の義務教育施設「学び舎(や) ゆめの森」をスタート・ゴールに、13年ぶりに開かれた。町民が東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生前の恒例行事の復活を喜び、走者は復興が進む地域を駆け抜けた。

 県内各地から小学生の部と一般の部(中学生以上)に合わせて85チーム、340人が出場した。1チーム4人で構成し、小学生の部は1・5キロ、一般の部は2キロの周回コースをそれぞれ走り、仲間にタスキをつないだ。町民らが沿道に大勢集まり、応援旗を持って声援を送った。小学生の部は大ちゃんRC A(南相馬)、一般の部はふくしま持久力クラブZ(福島)が優勝した。

 市町村対抗県縦断駅伝競走大会(ふくしま駅伝)で、大熊町チームの監督を務める渡辺隆弘さん(42)の提案が再開のきっかけとなった。ゆめの森が4月に町内に戻り、子どもの数が増えたのを受け、町に駅伝の復活を呼びかけた。1989年ごろに始まり、自身も10回以上出場した経験がある大熊の冬の風物詩をまた開きたい。幅広い世代が集まる機会を設ければ、地域がさらに活気づくと考えた。

 渡辺さんは17日、スタッフとして運営をサポートした。必死にタスキをつなぐ選手を見つめ、「感無量だ。来年以降も続けて、どんどん大きな大会にしていきたい」と誓った。

 

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