国指定難病IBDとIBSに理解を 福島県いわき市の高校生ら啓発
IBDとIBSの理解促進に取り組む(左から)長瀬さん、穴沢さん、徳山さん
2024/01/18 19:30
know IBDプロジェクト」の協力店舗に貼られている共通ステッカー
国の指定難病「炎症性腸疾患(IBD)」と「過敏性腸症候群(IBS)」への理解を広めようと、福島県いわき市の高校生と高専生の3人が交流サイト(SNS)を通した発信などに取り組んでいる。3人は「病気でも安心して過ごせる地域にしたい」と意気込んでいる。
活動するのは中学時代に同級生だった、いわき光洋高3年の穴沢優奈さん(18)と徳山美紅さん(18)、福島高専3年の長瀬匠真さん(18)の3人。2年生の時、穴沢さんはIBDの潰瘍性大腸炎、徳山さんはIBSの診断を受けた。穴沢さんは「おなかに違和感があり、腹痛や血便、ひどい時は発熱もある」と症状の苦しさを明かす。患者に共通する悩みは、突然で急激な腹痛や便意だ。治療で症状が緩和することもあるが、トイレの不安は尽きないという。
アメリカの医薬品会社の日本法人アッヴィが2022(令和4)年、患者が安心して外出できるように企業や店舗がトイレを提供する「I know IBDプロジェクト」を始めた。「ご遠慮なくどうぞ」と書かれたステッカーを店先に張り、患者の不安解消につなげている。
いわき市でも取り組みを広めたいと願い、昨年4月に「IBD広め隊」を発足させた。プロジェクトの公式サポーターとして地元企業を訪ね、協力を呼びかけてきた。自らの経験や活動をSNSで紹介し、理解普及にも努めている。
現在、IBS患者の認知を高めようと市内でスーパーを展開するマルトとステッカーを作成中だ。「I know IBDプロジェクト」のステッカーと組み合わせて使えるデザインを考えている。
高校卒業後は地元を離れるメンバーもいるが、3人は「活動は続けていく。いつか起業し、活動の幅を広げられたらうれしい」と夢を膨らませた。
活動はインスタグラムのアカウント(@ibd_hirometei)で確認できる。