福島県南相馬市 空き家増2182件 実態調査、全世帯の9% 移住に活用へ、市が再生検討

 

門馬市長に空き家の実態を報告する荒明代表理事(左から3人目)ら

 

2024/03/18 17:00

 

 福島県南相馬市内の空き家は2023(令和5)年度、2182件に上り、全世帯に対する空き家率は9・0%に上った。市は移住者の住まいとしてリフォームするなどの活用事業を検討する。実態調査に当たった南相馬空き家・空き地サポートセンターが15日、報告書を提出した。

 実態調査は昨年8~10月に実施した。2018(平成30)年度の市の調査で判明した1105件を除き、現地調査や所有者へのアンケートを行った。新たに空き家1077件を確認した。2018年度の結果を合わせると2182件となった。東京電力福島第1原発事故の影響で避難指示区域となった小高区は、空き家率が20・8%と高かった。

 老朽度についても調査した。優良物件として利活用が見込まれるA判定は1365件、修繕が必要だが今後の利活用が検討できるB判定は621件と多かった。一方、倒壊などの危険がある特定空き家の認定に向けた協議が必要なD判定は44件、雑草などで外観が確認できない老朽度不明が47件あった。

 アンケートには約300件が回答した。「売却したい」が73件、「貸し出したい」が34件あったのに対し、「このまま所有したい」が39件、「解体したい」が28件、「決めていない・決められない」が35件あった。市の空き家バンクに関して「検討したい」は77件、「登録したい」は76件だったのに対し「登録したくない」は45件だった。

 南相馬空き家・空き地サポートセンターの荒明健代表理事、西内通理事、小谷津和矢理事、丹治寛智監事らが市役所を訪れ、門馬和夫市長に報告書を手渡し、説明した。門馬市長は「空き家を財産ととらえて、移住者の受け皿などとして生かしていきたい」と述べた。

 

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