思い出の学びや、別れ惜しむ 震災・原発事故で解体予定の幼稚園と中学校 10月6日まで見学会 福島県双葉町

 

震災当時の状況が残る旧双葉中を見て回る見学者

 

2024/10/06 09:21

 

震災当時の状況が残る旧ふたば幼稚園の園舎を見て回る見学者ら。園児が作ったカレンダーは3月11日からめくられていなかった

 

 福島県双葉町は10月5、6日の両日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で荒廃し、解体する旧ふたば幼稚園と旧双葉中の見学会を開いている。旧園舎・校舎内の様子を見ることができる最初で最後の機会。5日は県内外から卒業生ら約150人が駆け付け、学びやとの別れを惜しんだ。

 2011(平成23)年3月11日、旧双葉中では午前中に卒業式が行われた。公開された3年生の教室には、黒板に先生や同級生が書いた寄せ書きが残り、昇降口には「祝 卒業」の飾りが貼り付けられたまま。図書室の本棚は倒れ本が散乱していた。当時3年生で東京都の小学校教諭の鈴木景一朗さん(28)は「(母校がなくなるのは)寂しいが仕方ない。将来は県内に戻ろうと考えている」としみじみ語った。

 激しい揺れが旧ふたば幼稚園を襲ったのは、卒園前の「お別れ会」を開いた後だった。園舎入り口の地面は一部が波打ったようになり、コンクリートが剥がれていた。園舎内には、3月11日に開くお別れ会への参加を促す手作りの案内文などが残され、遊戯室の垂れ幕には「おめでとう」と書かれた飾りが付いたままだった。幼稚園の1期生という白河市の40代の女性は「園舎は時間が止まったままのよう。思い出が詰まった園舎の様子を振り返れるよう写真などで残しておいて欲しい」と話した。

 午前10時から午後3時まで見学できる。予約不要。

 

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