福島県楢葉町波倉地区のサツマイモで焼酎づくり 来年以降の販売開始目指す 復興組合
焼酎醸造用のサツマイモを収穫した復興組合の関係者
福島県楢葉町波倉地区の有志でつくる任意団体「楢葉町波倉地区復興組合」は今年から、地区内の畑で栽培・収穫したサツマイモで焼酎づくりに取り組んでいる。郡山市の笹の川酒造に醸造を委託し、来年2~3月に試供品が完成する見通し。将来的に波倉地区で栽培から醸造、販売までを一貫してできる体制づくりを目指す。
組合は2013(平成25)年設立。住民の早期帰還や雇用創出を目指して2015年に波倉地区復興計画を策定した。サツマイモ栽培と焼酎づくりは、計画に盛り込んだ「多様な方法による農地等の利活用」の取り組みの一環。農家に借りた畑約200平方メートルで、今春からサツマイモ「黄金千貫(こがねせんがん)」を苗から栽培し、10月に約190キロを収穫した。
醸造中の焼酎は「波倉の風」と命名し、商標登録を申請中。今後、組合を母体に設立した株式会社「ナミクラ」が酒類の販売免許を取得し、来年以降に販売開始を目指す。渡辺晋二理事長(ナミクラ社長)は「焼酎づくりを地域の活性化や復興につなげたい」と話している。