【いわきこの一年】匿流による詐欺被害相次ぐ いわき駅前の繁華街で大規模な火災も発生
炎が上がるいわき市平字田町の繁華街。13棟に被害が及んだ=5月26日
2024/12/26 20:00
福島県いわき市ではこの一年、人命が奪われるような重大事件の発生はなかったが、交流サイト(SNS)を使った詐欺被害が目立った。
2023(令和5)年2月にいわき市勿来町の住宅で発生した強盗殺人事件で、1月10日に別の事件で服役中だった男が逮捕されたことにより、地域住民に安心が戻った。被告は一審・地裁郡山支部の無期懲役の判決を不服として仙台高裁に控訴した。
全国的に問題となっているSNSを通じて結びつく「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」による詐欺被害が市内でも相次いだ。5月、ジャーナリストの池上彰さんを名乗り現金をだまし取ったとして詐欺容疑で中国籍の男が逮捕された。資金決済法違反罪で起訴されたが、裁判では身元の分からない人間から仕事を仲介されたと述べた。末端の実行役が逮捕されてもメンバーを入れ替えて犯罪を繰り返すため、グループの全体像解明や壊滅に時間を要するのが課題となっている。
5月、JRいわき駅前の平字田町の繁華街で大規模な火災が発生した。死傷者は出なかったが、全焼した5棟を含めて13棟に被害が拡大し、建物が密集する地域での延焼の危険性を浮き彫りにした。
11月末現在、市内の交通事故による死者は昨年より1人減って8人となった。ただ、市内では飲酒運転の摘発が相次いでいる。県警によると、飲酒運転による交通事故は県内で59件発生し、このうち3割の18件が市内で起きた。