龍台寺(福島県富岡町)本堂完成 原発事故で被災 地域の復興と発展願う

龍台寺で行われた入仏式
2025/06/08 09:37
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被害から再建を進めてきた福島県富岡町小浜中央の龍台寺の本堂が完成し、7日に入仏式が行われた。檀家や総代ら関係者約300人が出席し、本堂を守る決意を新たにし、地域のさらなる復興と発展へ願いを込めた。
寺は1490(延徳2)年に建立されたとされる。1958(昭和33)年に建てられた本堂は震災の揺れで損傷し、原発事故に伴う長期避難に伴う雨漏りで天井が落ちるなど修復は困難となり解体した。「寺が元通りになったら町に帰りたい」など檀家の声が寄せられて再建を決意し、2016(平成28)年から再建へ工事を進めてきた。
新たな本堂は旧本堂とほぼ同じ大きさで、木造平屋の約430平方メートル。材料にはケヤキを使用し、柱は直径65センチと50センチの太さ。天井の高さは約7メートルで禅宗様建築の特徴が各所にちりばめられている。
入仏式の法要では新たに安置した本尊(釈迦牟尼如来)の開眼供養を行い、龍台寺の護持発展と富岡町、世界の平和を祈った。矢内隆久住職が「さまざまなご縁や思いを受けてここまでこれた。震災前と同じように足を運んでお参りいただきたい」とあいさつした。
8日は落慶法要式典を行い、イベントなどを繰り広げて完成を祝う。