福島県いわき市常磐湯本のミニシアターkuramoto 惜しまれつつ10月いっぱいで閉業

運営を担ったボランティアとともに、地域の支えに感謝する蔵田さん(手前中央)
2025/10/14 10:44
福島県いわき市常磐湯本町の映画館「湯本駅前ミニシアターkuramoto」は今月いっぱいで閉業する。福岡市出身の蔵田悠子さん(47)が気軽に人が集える場を作ろうと2019(平成31)年2月に開館。大きな映画館で扱わない海外作品や自主制作作品を上映し、地域の映画ファンに愛されてきた。転居や湯本駅前エリアの再開発などを理由に幕を下ろすことを決断した。
■蔵田悠子さん、2019年に開館 地域の支えに感謝
13日は最後のイベントとなる「共生シネマフェスティバル」を終え、蔵田さんと運営を支えてきたボランティアが労をねぎらい合った。蔵田さんは「湯本の皆さんがよそ者の自分を温かく受け入れてくれ、ここまでやってこられた」と感謝した。
蔵田さんは約10年前に都内から湯本に転居。出産後じっくり映画を見られなかった経験から、子育て中の女性でも楽しめるような小さな映画館を開いた。「心が温まる映画」をコンセプトに、教育・福祉を題材とした作品やドキュメンタリーを上映。発表の場を求める映画監督も訪れ舞台あいさつすることもあった。
4年前、家族の都合で実家のある福岡市に転居することになり、映画館に常駐できなくなった。存続を求める地域住民の声や上映業務を担うボランティアの存在もあって運営を続けてきたが今月限りでの閉業を決めた。
今後も1階のコーヒースタンドは営業を続け、地域の交流拠点として開放していく。蔵田さんは「湯本がどんどん盛り上がるように役立ててもらいたい」と願った。上映作品やスケジュールはホームページで公開している。料金は一般1500円、高校生以下千円。