浜通りテレワーク体験記 ~その1 南相馬市小高区・川内村~

コロナ禍で、私の会社は無制限リモートワーク体制となり、全面テレワークに移行しました。2020年度は感染防止に細心の注意を払いながら、福島県内でテレワークを続けています。浜通りには最適な場所がたくさんあります。快適に仕事ができる場所や環境について、首都圏在住者の視点からの体験記や生活情報をお伝えします。

福島県は「テレワーク・ワーケーションの聖地」を目指し、今年度『「テレワーク×くらし」体験支援補助金』があり、私もフル活用しました。福島県外在住者などを対象に、なんと最大30万円まで補助されます。ぜひチェックしてみてください。

■宿泊もできるコワーキングには、若者も集う■

2020年11月、まず訪問したのは、南相馬市小高区の「小高パイオニアヴィレッジ(OPV)」。「福島第一原発の北のエリアでテレワーク」といったら、真っ先に思い浮かぶ場所。宿泊や地元との交流に加えて、オリジナルのお土産もあり、おすすめです。

まず行き方です。
いきなり若干長めですが、土地勘のない首都圏在住者向けに細かく書きます。OPVは最寄りのJR小高駅から徒歩5分の近さです。そして小高駅は東京駅から「常磐線で1本」でつながっています。

首都圏からOPVに向かうおススメの方法は、

①:(途中の)JRいわき駅まで高速バスか常磐線特急で行き、普通電車に乗り換える

②:いわき駅まで①と同じルートで行き、レンタカーを借りる

①または、②のどちらかです。
車を使わず安く行く場合は、①です。

東京駅からいわき駅までは高速バスが便利。1時間に1本と本数が多く、3時間3500円(ネット購入で5%割引)で着きます。常磐線特急より安く、乗り換え時間考えると時間もあまり変わりません。そしていわき駅から普通電車で1時間ちょっと、片道4000円台で小高駅に着きます。

安さ以外のもう一つのメリットは、常磐線の「全線開通」部分を体験できることです。原発事故の影響で9年間不通区間がありました(当時は代行バスでした)が、徐々に開通区間が増え、2020年3月14日、原発周辺の富岡-浪江駅間が開通。ついに東京と仙台が一本につながった部分の情景や雰囲気を堪能できます。

常磐線の全線開通に伴って、

③:上野駅から直通の常磐線特急「ひたち」で行く

新たに③の方法が出来ました。
浜通り南部のいわき止まりが多いですが、現在、いわき以北の仙台まで行く特急が一日3本あります。「小高駅」は通過ですので、手前の「浪江駅」か先の「原ノ町駅」からの移動が確保できれば、ぜひ検討を。

南相馬市の中心・原ノ町駅では、「トヨタレンタカー」や「ニッポンレンタカー」があります。

ちなみに私は、②のいわき駅から格安レンタカー(「ニコニコレンタカー」や「ガッツレンタカー」)が定番です。いわき駅から小高駅まで車で75分。一般道(国道6号)でも高速道でもほぼ変わらないので、一般道の利用が情景も楽しめて好きです。

ちなみに、中通りの東北新幹線・福島駅から、原ノ町まで高速バスもあります(約1時間半)

OPVの特長は、以下の3点だと思います。

<1>宿が併設なので、長期滞在可能
<2>まちづくりの課題解決に多様に取り組み、「関わりしろ」が大きい
<3>女性にステキなお土産がある

それでは、一つ一つみていきます。

<1>宿が併設なので、長期滞在可能

簡易宿泊所機能があり、そして「Go To トラベル」なくても1泊4000円と安いです。もちろん清潔。二段ベッドは11月現在、コロナ対応で一人使用でした。小さな机が設置され、セキュリティに配慮して落ち着いて会議する際のスペースとしても活用できます。

今年話題の、月4万円で定額住み放題サービス「ADDress」にも登録しています。「地元住民と滞在者が混ざり合う、泊れるコワーキング」のタイトル通りで、全国に住む会員が頻繁に訪れているようです。

<2>まちづくりの課題解決に多様に取り組み、「関わりしろ」が大きい

南相馬市小高区の避難指示解除は2016年7月。
震災後の5年間は「住民ゼロ」の地域でした。OPVは、避難指示だった区域を「日本唯一のフロンティア」と見立て、このフィールドに欲しい暮らしを自ら創り上げていく人たちを「開拓者(=パイオニア)」と呼び、そのパイオニアの集う場所として立ち上げました。小高ワーカーズベース/パイオニズムの和田智行さんらが運営しています。

訪ねると、常に仕事や会議をしている人がいました。20代はもちろん、聞くと10代の学生も!夏休みやその後の期間も、シェアハウスなどに泊まり込んで地域に関わっているようです。

建物は、階段状の不思議な形をしています。
階段部分にコンセントがあるのでテレワーク可能ですが、いすでゆっくり仕事したい場合は、階段の上の2階で。少人数会議もできます。また「一人作業」は、2階の反対側(写真を撮影した場所)の長机でできます。

<3>女性にステキなお土産がある

1階に、手作りガラスアクセサリー工房「iriserイリゼ」が併設されています。あの無印良品のガラス商品も制作しています。外側から作業風景が見える造りになっています。

わかりやすくまとまっているYouTube動画があります。

工房は2015年、老舗ガラスメーカー「HARIO」の生産拠点のひとつとして始まりました。技術を磨き上げながら、2019年にオリジナルブランド「イリゼ」を立ち上げました。訪問するごとに、素敵な製品の種類が増えている印象です。ハンドメイドアクセサリーを、お土産にぜひどうぞ。アクセサリー制作体験もできます。

OPVのドロップインは1時間300円、1日1000円です。
宿泊するのがおすすめ。
生活まわりの店も充実してきており、コンビニはあります。またOPVの目の前に、居酒屋もあります。おすすめは「双葉食堂」の中華そば。行列必至です。

南相馬市の原町区では、同じ小高ワーカーズベースが運営するコワーキングスペース「NARU」があります。無料で活用可能です。

■文化人が愛した「文庫」でテレワーク■

南相馬市小高区から車で約1時間。川内村にある、紅葉に溶け込む茅葺き屋根の「天山文庫」をご紹介します。

行き方ですが、電車では、郡山駅経由の磐越東線・船引駅からバス(約75分)。または常磐線・富岡駅からバス(約40分)があります。本数が少ないので、車での訪問がおすすめ。

天山文庫は「テレワーク施設」ではないので、節度ある利用をお願いしますが、趣がありおススメです。詩人・草野心平氏との縁で、村民が一木一草を持ち寄り建てた施設。設立の発起人には、井上靖・川端康成・武者小路実篤などそうそうたる顔ぶれがそろいます。

一つの木、一つの壁にもストーリーを感じさせる気づきがあります。ゆっくり静かに過ごしたいものです。

天山文庫から徒歩5分。もう少し気軽に仕事をしたい場合は「Cafe Amazon(アメィゾン)」へ。

人口1800人の村に忽然とあらわれるカフェは、タイで人気のコーヒーチェーン店。何と日本一号店がこの村に。木のぬくもりを感じる店内で、テラスやソファー席もあります。

2016年6月の避難指示の全解除から4年半。
村内居住者の約2割、400人以上が原発事故後の移住者といい、「関係人口」が増えています。

宿泊は、温泉が併設している「いわなの郷」がよいかと思います。

生活情報ですが、村内初の複合商業施設「YO-TASHI(ようたし)」には、生鮮食品もあるコンビニがあります。また、リモートワークでも活用できそうな共用スペースもあります。

<<今回紹介した施設はこちら>>

小高パイオニアヴィレッジ
かわうち草野心平記念館「天山文庫」
カフェamazon

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