いわき湯本温泉で職域接種が始まる 新型コロナ
福島県内各地の温泉街にさきがけ、いわき市のいわき湯本温泉で29日、同温泉旅館協同組合に加盟する旅館やその取引先の従業員らを対象とした新型コロナウイルスワクチンの職域接種が始まった。
観光客と接触の機会が多い温泉関係者にいち早く接種を進めようと、同組合が常磐病院などを運営する公益財団法人ときわ会に掛け合い実現した。米モデルナ製ワクチンを1日当たり約380人に接種し、7月中に希望者全員が2回目の接種を終える見込みだ。
29日は旅館「雨情の宿 新つた」の宴会場に臨時の接種会場を設け、常磐病院の医師と看護師約10人が問診や接種を担った。いわき湯本温泉の旅館「古滝屋」で働く田主将大さん(31)は接種を受け、「安心感がある。早く収束して元通りに観光客が来てくれれば」と期待した。
組合には21施設が加盟しているが、昨年から続くコロナ禍の影響で入り込み客数は例年の半分程度。薄羽裕一理事長(51)は「ワクチン接種で観光客と観光業関係者の双方に安心安全を提供できる。いわき湯本温泉が感染対策に取り組んでいるということをアピールしていきたい」と話す。今後は接種済みの観光客への独自サービスなど、新型コロナ収束後を見据えた企画も検討していくという。