福島県がまん延防止等重点措置の適用を政府に要請 いわき市対象の方針
福島県は2日、いわき市をはじめ県内で新型コロナウイルス感染が急拡大しているとして、本県へのまん延防止等重点措置の適用を政府に要請した。県は感染急増が顕著ないわき市を重点措置の対象区域とする方針。清水敏男いわき市長から適用要請を受け、同日開いた県の新型コロナ対策本部員会議で要請を決めた。重点措置が適用されれば県は対象区域の飲食店に原則、終日の酒類提供自粛を求めることが可能になる。
県内で感染者が急増している福島、郡山、いわきの中核市3市で感染拡大を抑え込むため、県は独自の集中対策として市民への不要不急の外出自粛、酒類を提供する飲食店などに対する営業時間短縮を求めている。しかし、いわき市では感染急拡大に歯止めが掛かっておらず、緊急事態宣言に準じた対策が可能になるまん延防止等重点措置の適用が必要と判断した。
県独自の集中対策とまん延防止等重点措置の対策の内容は【表】の通り。重点措置が適用されると、県は飲食店に終日の酒類提供自粛を求めることが可能になるほか、営業時間短縮要請の対象も広がり、酒類提供の有無に関わらず全ての飲食店が時短要請の対象となる。要請に応じない事業者には20万円以下の過料を科すこともできる。
内堀雅雄知事は本部員会議後の記者会見で「深刻な状況をしっかりと認識してもらいたい」と県民に呼び掛けた。
県は2日、県内で75人の新型コロナ感染が確認されたと発表した。このうちいわき市は27人と全体の約4割を占める。いわき市では人口10万人当たりの直近1週間(7月26日~8月1日)の新規感染者数が55・55人に上り、政府の対策分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)の指標「25人以上」を大きく上回る。病床使用率は91・8%でステージ4の指標「50%以上」を超え、医療提供体制は危機的状況にある。