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- ホッとできる古民家で出会う、あたたかい交流と郷土料理-田村市都路町の「よりあい処 華」―
ホッとできる古民家で出会う、あたたかい交流と郷土料理-田村市都路町の「よりあい処 華」―
「自分の住むこの田村市、そして都路町(みやこじまち)に住む方々の気持ちを少しでも明るくしたい」、そう話すのは「よりあい処 華」の店主・今泉富代(ひさよ)さんです。手芸が得意で、世話好き。そして可愛らしく、おしゃれなおばあちゃん。地元の方から愛され、「しーちゃん」と呼ばれています。(東北地方のご年配の方が「ひ」を「し」と発音することから)
今泉さんは、震災後、暗いムードになっていた都路町に不安や危機感を感じ、皆が少しでも前を向くために、自分に何が出来るのかと考えていました。そんな中、都路町には地域の人が集まれる場が必要なのではないかと思い至り、都路町にある兄の実家を、様々な人たちの協力を得てリフォーム。2014年6月に古民家コミュニティースペース「よりあい処 華」をオープンさせました。
店舗名の「よりあい処 華」の由来は、震災後の暗い雰囲気を払拭させ、皆が笑って、「ワイワイがやがや」喋っている姿が見てみたい、地域が華やいでほしい、という想いから。
今泉さんはオープン当時の事を「多くのボランティアさんや田村市復興応援隊のサポートがあったからこそ、開店する事ができました。特に、当時応援隊だった小林奈保子さんには只ならぬ感謝をしています」と語ります。
内装は自分達で改装し、古民家風の温かい雰囲気に。若い世代には新鮮に、地元の人には懐かしく。おばあちゃんの家に来たようなゆっくり出来る空間になっています。
手芸教室などのカルチャースクール利用からスタートした「よりあい処 華」ですが、当時、都路町には飲食店が無かったので、「食事も提供できれば地域が元気になるはず」と思った今泉さんは、ランチの提供も始めました。
ランチを始めるにあたって今泉さんは、郡山市にあるおしゃれな家庭料理と個性的な器を使用しているカフェ「ど喜ど器庵」を参考にしたそう。「よりあい処 華」で使用する素敵な器の大半も、個人作家が制作したものなのだそうです。
ランチメニューは地元食材をメインにした「おまかせランチ」「たむら八彩カレー」「けんちんうどん」などで、一番の人気は「おまかせランチ」。旬の野菜を使った煮物や漬物、小さいジャガイモを砂糖と醤油で作ったタレで和えた芋の煮っころがし、イカにんじんなどの郷土料理が日替わりで味わえます。この手作りの温かい味を求めて、地域で単身赴任している人や市外からも多くの人がリピーターとして来店しています。
現在、営業日以外の日には、小中学生を対象にした料理教室、手芸教室を開催しています。地元の小学校で栽培した野菜を使い、こども達と一緒に料理をするなど、今泉さんは地域のコーディネーター的役割も担っています。
オープンから7年半。都路町の中心地に位置する「よりあい処 華」は地域の方々が集まるのに立地が良く、地域の文化発信や集いの場、憩いの場に。ランチ需要も相まって、都路町に不可欠な立ち寄りスポットになっています。今泉さんの温かく気さくな人柄に会いたく通う人も多く、営業日はつねに盛況です。
「田村市の魅力は、人が素敵なところだよね」
「これからも地域の恩返しと、未来を担うこども達のために、この地域で今の私ができる事をやっていければ幸い」と、今泉さんは最後に語ってくれました。
これからも、今泉さんのやさしい人柄で都路町を温かく見守ってくれることだろうと思います。懐かしく、おばあちゃんの家の雰囲気を味わえる「よりあい処 華」で、身も心もリフレッシュしてみてください。
(文・写真 鎌田宏一(田村市在住)、編集・山根麻衣子)
基本情報
よりあい処 華
営業日 月、水、金 11時~14時
定休日 日、火、木、土 ※祝祭日は問い合わせ
住所 〒963-4701 福島県田村市都路町古道新町67 ※駐車場 有
電話 080-8203-8787
アクセス 県道288号線で都路町方面へ。農協都路支所 向かい
キャッシュレス不可、フリーwifi 有
Facebook よりあい処 華
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