震災の経験と教訓を次世代に伝える 福島県南相馬で市民植樹祭 18000本の苗植樹
復興への願いを込めて植樹する参加者
2022/06/06 18:00
第10回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭は5日、福島県南相馬市小高区塚原の海岸防災林で催された。参加者は東日本大震災の犠牲者を慰霊するとともに、震災の経験と教訓を次世代へ末永く伝えていくと誓った。
市、各種団体などで構成する実行委員会の主催、福島民報社などの後援。市内外の企業や団体、個人ら約1000人が参加した。
開会式では出席者が海に向かって、震災の津波により市内で亡くなった636人と、横浜国立大名誉教授などを務め、震災以前から市の植樹事業に協力し、昨年亡くなった宮脇昭さんへ黙とうをささげた。
実行委員長の門馬和夫市長が「多くの人が参加し、10回目を迎えた。人の命を守る森をつくり、次世代に津波の教訓と命の大切さを伝えることが鎮魂につながる」とあいさつした。
続いて約3000平方メートルの土地にタブノキやユズリハなど21種類約18000本の苗を植えた。タレントのルー大柴さんがゲストとして植樹に参加し、会場を盛り上げた。
植樹祭は2013(平成25)年に始まり、これまで市内各地の沿岸部に延べ約18万本を植えている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一昨年から参加を市民限定にするなど規模を縮小していたが、今回は3年ぶりに各地から参加者を募った。