福島県葛尾村小出谷地区に「特定帰還居住区域」 村が復興再生計画 早期の避難指示解除目指す

 

2025/07/02 09:37

 

 福島県葛尾村は東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域に「特定帰還居住区域」を設定する。1日、復興再生計画をまとめた。村内野行の小出谷地区の対象4世帯のうち、帰還意向のある世帯の宅地など計約5ヘクタールを範囲に定めた。県の同意を得た上で政府に計画案を申請し、早期の避難指示解除を目指す。

 特定帰還居住区域は帰還意向を示した世帯の宅地や農地、周辺の道路など生活圏を含め、安全な生活や通行ができるようにする。村は、小出谷地区が小さな集落のため個人の特定につながる可能性があるとして、帰還意向のある世帯数は非公表とした。

 村は1日、県に計画案を提出した。県の同意を経て、今夏に政府の計画認定を受けたい考え。政府は計画認定後、国費で除染してインフラ整備を進める。

 小出谷地区は村内に残る唯一の帰還困難区域。村と政府は今後も帰還意向調査を実施し、区域の拡大を検討していく方針。

 帰還困難区域のある7市町村のうち、特定帰還居住区域を定める再生計画を公表したのは大熊町、双葉町、浪江町、富岡町、南相馬市に続いて6例目。

 

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