【ふるさとキャンパス】 楢葉町に1ヶ月住んでみた大学生に話を聞いてみた

 

今回取材したのは、「ふるさとキャンパス」という大学生向け短期移住プログラムで11月から12月にかけて楢葉町に滞在した大学生たちです。

大学の授業がオンラインになり、それなら地方に住みながらでもいいじゃん、ということで”地域をもう一つの学びの舞台に”という趣旨で行われた本プログラム。

楢葉町・白河町の二箇所で行われ、計7名の学生のうち楢葉町には2名が参加しました。

(詳細は、ふるさとキャンパスHPをご覧いただけます→ https://furusato-campus.site/)

大学も年齢も違う、関西からやって来たでこぼこコンビ。

彼らは、1ヶ月間、この町で何を見て、何を感じたのでしょうか。

一ヶ月間の彼らの活動だけではなく、その気付きを聞かせてもらいました。

【彼らのプログラム中の生活】

8:30 起床

8:45~12:10  授業

~ 17:00 フリータイム

(人に会いに行ったり、近隣の町へ出かけたり、講演会に参加したり…)

17:00〜 授業

18:30〜夕飯

カッコいい大人に出会えた

【プロフィール】

・名前:尾山郁人

・大学:神戸大学農学部1年

・出身:奈良県

・町内のお気に入りの場所:山田浜!

一人目は、尾山郁人さん。

プログラムのことを知り合いがFacebookで紹介していたのを見たことをきっかけに、参加を決めました。

現在神戸大学農学部1年生の尾山さんですが、初めて会ったときは「エッ、一回生なの??」と思わず言ってしまったくらいの落ち着きぶり。

高校生の頃から復興支援に関わっており、もともと福島にも何度か足を運んだことがあったといいます。

「最初来たときは、”復興”という視点でしか、町を見ることが出来ていなかった。メディアを通した偏見というか、マイナスの面ばかり極端になった情報ばかりが頭にあったというか…」

しかし、1ヶ月の間で視界に飛び込んできたのは、”普通に”ここで生活するたくさんの人達の存在。

町内の農家さんのもとに飛び込みで見学させて貰いに行ったりと、アクティブに活動する中で、かっこいい、と思える大人にも出会えた、と話します。

「このエリアで農業をするって、他の人と比べたら明らかなハンデになるやないですか。なのに、楽しそうに取り組んでいる姿だったり、”どうしてやっているのか”という目的がすっと自分の中から出てくる大人の方々に出会えたのは、まじで良かったっす。」

そんな彼に、1ヶ月の滞在を終えての変化を聞いてみました。

「この地域の印象って、一般的な、あんまり興味のない人からしたら10年前かからアップデートされていない、ネガティブな感じで止まっている気がする。だから今回、違った面を知れる環境に来られたことは良かった。被災地研修も結構あるけれど、そういったマイナス面だけじゃなくて、もうちょっと多面的に見られるように、自分もアプローチしていきたい。」

思い込みにハッとする

【プロフィール】

・名前:伊藤豊

・大学:早稲田大学文化構想学部2年

・出身:大阪

・好きなもの:ジブリ

そして二人目は、伊藤豊さん。

尾山さんと同様に、知り合いがシェアしていたFacebookの投稿を見たのをきっかけに、プログラム参加を決めました。

明るい髪色とは裏腹に、少しおっとりめで真面目な伊藤さん。

もともと子供の居場所づくりや学習支援に興味があり、楢葉町に来てからも時間を見つけては地元でそのような活動をしている方々に話を聞きに行ったといいます。

「地方の人は、みんな同じ思い出子どもの教育に携わっているもんだと勝手に思ってたんやけど…。既にこの地域で活動されている方々の話を聴いていたら、”あ、考え方もスタンスも、人によって全然ちゃうねんな”って。」

将来は大阪の地元に帰りたいと考えている伊藤さん自身も、幼い頃の体験から”近所での遊び場は必要だ”という思いが強くありました。

しかし、プログラムの集大成としての発表を前に、一人の方に言われた言葉にハッとしたと話します。

『子供の居場所づくりとか言ってるけどさ、楢葉で子どもは遊んでるよ?大きく捉え過ぎなんじゃない?外部から来て、これが課題だ!って定義するのが早すぎる。これを改善しようとして4〜5年。言うだけなら出来る、それを発表するのか?』

「…って言われてしまって。いやほんまその通りやな、って。”こういう課題があるだろう”という視点に立っちゃうと、頭がかたまっちゃうんだなと思いましたね。既に野球の少年団とかもあったりしますし、意外と”普通”のところもたくさんあるよな、って。やから、発表は最終的にこの気付きについて正直に話しました」

実際に住んでみたから、見えた景色

1ヶ月の滞在を終えて、彼らの口から揃って聞こえてきたのは、「意外と普通やな」という言葉。

それは良い意味で、ついつい課題意識から町を見てしまう視点があることに気がついた、ということでした。

彼らの詳しいプログラム期間中の活動の様子やその内容については、こちらのnoteでも書いているそうなので、ぜひ以下のURLから見てみてください。↓

■尾山さん

https://note.com/unta_92103/n/nfa84cccfb986?magazine_key=m7fc657f59047

■伊藤さん

https://note.com/itoyuta5656/n/n9c0660b464c4?magazine_key=m7fc657f59047

性格は正反対ながらも、とても楽しそうに活動をしていたふたり。

この楢葉町での一ヶ月で学んだことが、彼らの財産の一つになることを願って。

中窪千乃地元記者

投稿者プロフィール

早稲田大学を休学し、楢葉町の株式会社 結のはじまりのインターン生として新規事業の立ち上げに奮闘中です。
楢葉町にて小料理屋「結のはじまり」を営みながら、シェアハウスの運営、若手移住者のサポートを行っている、古谷かおりさんの元で働いています。 魚とサウナとフルーツサンドが好きです。

この著者の最新の記事

関連記事

ページ上部へ戻る