来年4月開校福島県立高、統合5校の名称決まる 県教委、条例改正案提出へ

 県教委は、県立高の統合により二〇二二(令和四)年四月に開校する五校の校名を決めた。須賀川・長沼を「須賀川創英館(そうえいかん)」、大沼・坂下を「会津西陵(せいりょう)」、湯本・遠野を「いわき湯本」、相馬東・新地を「相馬総合」、保原定時制・福島中央を「ふくしま新世(しんせい)」とする。二月定例県議会に名称などを定める条例の改正案を提出する。

 県教委が十四日、県議会各会派の政調会で明らかにした。校名は統合する各校の生徒や保護者から案を募った。各校の教員らでつくる検討組織が案を絞り込み、県教委が決定した。統合校の概要は以下の通り。

須賀川・長沼須 賀川創英館(そうえいかん)
大沼・坂下   会津西陵(せいりょう)
湯本・遠野   いわき湯本
相馬東・新地  相馬総合
保原定時制・福島中央 ふくしま新世(しんせい)

 須賀川創英館の校名は、学びを通して新たな未来を創造する英知を身に付ける場の意味が込められている。文化系探究、理数系探究、芸術・スポーツ、ビジネス・教養の四コースを設ける。開校後は須賀川市の須賀川高の校舎を使用する。

 会津西陵は会津盆地の西側にある実り多い丘を表す。進学探究、教養探究、情報会計、健康福祉の四コースを設ける。開校後は会津美里町の大沼高の校舎で授業を行う。

 いわき湯本は地元になじみのある名称とした。四大進学を目指すアカデミック、看護職や公務員など幅広い進路に対応するスペシャリストの二コースを設定する。

 相馬総合の校名は相馬地域の唯一の総合学科校との意味を込めた。総合学科に文理教養、スポーツ、芸術、生活福祉、産業ビジネスの五系列を置く。東日本大震災を教訓に学校独自の科目「防災・復興」を設ける。

 ふくしま新世の校名は新しい時代を切り開く人材になってほしいとの願いを込めた。夜間部に加えて夕間部を新設し、生徒の多様なニーズに対応できる環境を整える。単位制を導入する。

 いわき湯本はいわき市の湯本高、相馬総合は相馬市の相馬東高、ふくしま新世は福島市の福島中央高の校舎を使用する。統合前の在校生がそれぞれの学校で卒業できるよう、統合後二年間は統合前に入学した校舎で学ぶようにする。

 五校の統合は県立高校改革前期実施計画に位置付けられている。県教委は二〇一九年五月ごろから順次、統合校の地元などで高校改革懇談会を開催し、統合の目的などを説明してきた。地域からは一定の理解を得られたとしている。

 五校の他に、喜多方・喜多方東が「喜多方」、小名浜・いわき海星が「小名浜海星」として今年四月に開校する。二〇二三(令和五)年四月には、田島・南会津、耶麻農・会津農林、白河実・塙工、梁川・保原、二本松工・安達東の統合と修明の再編が予定されている。

■再編の意義説明丁寧に

【解説】 県教委は少子化の進行などを踏まえ、県立高の統合再編を進めている。学校の配置を見直し、規模を適性にして教育の質の向上につなげる狙いだ。今回、五校の新名称が決まり開校に向けて一歩前進したものの、軌道に乗せるには乗り越えなければならない課題は多い。

 統合再編の対象となる県立高がある地域では、県教委が高校改革懇談会を開き、地域住民らと意見を交わしてきた。生徒が互いに切瑳琢磨(せっさたくま)できる学習環境の整備など統合の意義を説明し、「一定の理解を得られた」としている。

 ただ、統合に反対する声は依然としてくすぶり続けている。地域の行事への影響、活力の喪失を懸念する意見がある。

 県教委は統合校について、コース制の導入や学校独自の学習内容など特色を明確化し、新たな魅力を打ち出す考えだ。専門性の高い教員を配置するとともに、生徒が統合校で学ぶ意欲を高めるための環境づくりが欠かせない。一方、統合により学校がなくなる地域の住民が不安を抱かないよう、統合の必要性や教育現場の実情などの説明を続けていく姿勢が求められる。

 県立高の統合再編に向けた動きは今後も継続する。県教委は地域に根付き、生徒が希望を持って通学できる統合校とするため、学校の内外における取り組みを丁寧に進めていく必要がある。(本社報道部・棚辺 直哉)

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