飯舘の水稲拠点完成 営農再開加速化誓う 現地で引き渡し式

 

 飯舘村の水稲関連拠点施設となるライスセンターと自動ラック式低温倉庫の完成引き渡し式は十五日、村内深谷の現地で行われ、関係者が東京電力福島第一原発事故からの農業再生、営農再開の加速化を誓った。

 施設は、村が国の福島再生加速化交付金を活用して整備し、JAふくしま未来が管理・運営する。延べ床面積は計二千九百四十一平方メートルで、コメの乾燥や貯留、計量、放射性物質検査など出荷までの一連の作業が可能となっている。整備費は十七億三千八百九十九万円。

 式には約三十人が出席した。杉岡誠村長が「基幹産業である農畜産業の振興・発展を図り、楽しい古里を築き上げていく」、数又清市JAふくしま未来組合長が「営農再開に大きく貢献できる拠点となる」とあいさつした。菅野新一村議会議長、大波恒昭県相双農林事務所長らが祝辞を述べた。

 村内の水稲作付面積は帰還困難区域を除く避難指示が解除された二〇一七(平成二十九)年は約八・九ヘクタールだったが、二〇二〇(令和二)年は約百二十八ヘクタールまで回復した。二〇二一年は約百七十六ヘクタールに上る見通し。

関連記事

ページ上部へ戻る