田人の魅力泊まって体感 いわき市移住の下條真輝さん由美子さん夫妻 「ワークキャンプ」来春開設
福島県いわき市田人町で地域おこし協力隊として活動する下條真輝さん(31)は、宿泊しながら地域の魅力を体験できる施設「田人ワークキャンプ・ビレッジ」の建設を始めた。クラウドファンディングで建設資金を募っている。
真輝さんは神奈川県出身。塾講師を経て、二〇一九(令和元)年八月に妻由美子さん(30)の故郷いわき市で地域おこし協力隊に就いた。地域との絆が強まる一方で、少子高齢化に伴い過疎化が進み、田人の魅力を次世代へつなぐことが難しくなっていると感じた。
「里山暮らしや農作業などに魅力を感じている人を田人に呼び込み、活気を取り戻したい」。夫婦で知恵を絞り共同で生活しながら地域の手伝いができる施設の建設を決めた。
今後は地域住民との交流を通して里山暮らしや伝統産業などに触れることができるプログラムを構築する。将来的に移住促進や新たな地域の担い手の確保を目指す。来年二月ごろに施設を完成させ、四月ごろから宿泊事業を本格的に開始する予定だ。
真輝さんは来年三月で協力隊の任期を終える。今年二月には由美子さんや地域住民らと田人里山再生委員会を立ち上げた。今後は、施設を拠点に活動の幅を広げていく。「世界中の人々が田人に関心を持ってほしい。復興を後押しして、福島の魅力を発信できる施設を目指す」と二人は意気込む。第二の故郷・田人の未来に向け、夫婦二人三脚の挑戦は始まったばかりだ。
■150万円目標 資金募る クラウドファンディング活用
クラウドファンディングは七月二十日まで受け付けている。目標額は百五十万円。支援額に応じて田人産の野菜やコメなどの返礼品がある。
企画の詳細はクラウドファンディングのサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で確認できる。同サイト内で「田人」と検索するとページが表示される。