古里復興へ「未来切りひらく正念場」 福島県双葉町の伊沢町長が施政方針
2022/03/10 18:02
9日に開会した双葉町議会3月定例会では、伊沢史朗町長が2022年度の施政方針を示し、新たなまちづくりに向けた町の取り組みを説明した。
早ければ6月の特定復興再生拠点区域の避難指示解除に伴う帰還支援策として、ホテル宿泊費や自宅の清掃費の補助に加え、帰還に要する移転費用などを一部補助する。帰還後の防犯体制強化に向け、防災行政無線の整備や防犯・防災カメラの再整備を行う。
東京電力福島第一原発事故前、町の基幹産業だった農業については、地域営農再開ビジョンを基に本格的な営農再開を目指す。園芸作物の再開に向け、両竹地区に農業用施設設置に向けた土地造成や測量設計の検討に入る。担い手の確保のため農業法人などへの新規参入も検討する。
このほか、町民の交流や避難所利用などを目的に、高台にある双葉中体育館を改修する。長塚地区の歴史的建造物「旧田中医院」は国登録有形文化財として登録・保護し、まちづくり拠点として活用する考えも示した。
伊沢町長は「新たな復興のステージへのスタートラインに立つ。町の未来を切りひらくための正念場だ。復興への取り組みをさらに加速させていく」と意気込みを述べた。