復興拠点の避難指示6月12日解除 福島県葛尾村 拠点全体の解除は初

 

2022/05/17 09:28

 

 東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、福島県葛尾村野行地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示は6月12日に解除される。16日、政府、県、村の三者が合意した。原発事故から11年が過ぎ、帰還困難区域で住民が再び暮らせるようになるのは初めて。帰還困難区域が設定された自治体で復興拠点全体の解除も初となる。

 篠木弘村長が村議会全員協議会で6月中に避難指示を解除する方針を伝え、了承を得た。その後、原子力災害現地対策本部長の石井正弘経済産業副大臣に12日の解除を提案。鈴木正晃副知事を交えた三者協議に移り、石井副大臣が政府案として12日を示し、篠木村長が受け入れた。今後、政府原子力災害対策本部で正式決定し解除時間も決まる。

 関係者によると、三者は当初、6月5日の解除を軸に調整を進めていたとみられる。ただ、5月15日の住民説明会で住民から「時期尚早」などと不安視する声が上がり、解除に向けた周知期間を設けたもようだ。

 三者協議は冒頭を除き非公開で行われた。終了後、記者会見した篠木村長は2016(平成28)年6月12日に村の居住制限、避難指示解除準備の両区域が解除されたとし、「同じ6月12日の解除で合意に至った」と明かした。解除への懸念を抱く住民もいるとした上で、「高齢化など課題もあるが、住民に寄り添って復興への施策に取り組んでいく」と話した。

 石井副大臣は除染による空間放射線量の低減やインフラ整備が進んだ点などが解除要件を満たしたと説明し、「意義のある一歩になる」と強調した。

 野行地区は村北東部に位置し、村唯一の帰還困難区域に指定された。2018年に約1600ヘクタールのうち、約95ヘクタールが復興拠点として認定され、除染やインフラ整備の先行実施、住民のコミュニティー再生に向けた集会所の再整備、田畑や牧草地の利用回復などが進められてきた。昨年11月から準備宿泊が始まり、2世帯4人が宿泊している。

 村によると、拠点内の住民登録者数は1日現在、30世帯82人。このうち、帰還意向を示しているのは4世帯8人。拠点外の住民は4世帯10人となっている。

 

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