大岩観音周辺の環境整備 福島県田村市都路 歴史と文化を伝える地域の宝に

 

大岩観音周辺を整備する観光協会員ら

 

2022/11/08 09:47

 

 福島県田村市都路町岩井沢地区の山林に、大岩観音はある。巨石に彫られた小さな像だ。田村三十三観音の12番札所に数えられる。都路町観光協会は、歴史と文化を伝える地域の宝として、周辺の環境整備に乗り出した。

 大岩観音は、林道岩井沢上山口線から山の中に入り、700メートルほど進むとある。比較的勾配がきつく、案内人がいないとたどりつけない。かつて地元の小学生が遠足で訪れていたというが、今はひっそりとしている。

 大岩観音は縦約40センチ、横約30センチと小さい。ただ、高さ約6メートル、幅約13メートルの大きな石に彫られており、空中に浮いているようで神秘的だ。平家の落ち武者がこの地にたどりつき、戦で亡くなった家臣を供養するために刻んだと伝わる。岩井沢地区に住む渡辺家が代々、守ってきた。現在は長岩寺住職渡辺宗貫さんが管理する。

 都路町観光協会は、大岩観音を多くの人が安全に拝観できるよう、案内板の設置などを進めている。大岩観音のある巨石の傍らには、由来を記した看板も設けた。観光協会は引き続き周辺を整え、地域のにぎわいづくりにつなげたい考えだ。

 

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