福島県富岡町の復興拠点の避難指示が解除 夜の森地区の居住可能に 住民ら喜び分かち合う
2023/04/02 09:40
東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県富岡町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)は1日、避難指示が解除された。2017(平成29)年に居住制限、避難指示解除準備両区域が解除され、町全体の約88%が居住可能となり、今回で約93%に拡大した。町の復興の象徴、桜並木がある夜の森地区での居住が可能になる。
解除されたのは夜の森・大菅地区を中心とする約390ヘクタール。復興拠点内の住民登録者数は3月1日現在、1143世帯2580人。昨年4月から始まった準備宿泊には3月29日現在、27世帯56人が登録した。震災前は住宅地や商業施設があり、1697世帯3886人が住んでいた。
町は午前9時の解除に合わせ、JR夜ノ森駅前で防犯出動式を行った。旧富岡二中では記念セレモニーが行われ、町民とともに避難指示解除の喜びを分かち合った。満開の桜が咲き誇る中、山本育男町長は「ようやく桜を安心して見られるようになった。町にとって大きな一歩だ」と話した。
復興拠点の解除は葛尾村、大熊町、双葉町と31日に解除された浪江町に続き5例目。飯舘村は5月の大型連休ごろの解除を目指している。