震災被害と教訓、語り継ぐ意義とは 阪神大震災語り部・米山さん招き意見交換 福島県双葉町の災害伝承館で

 

語り部の活動について意見を交わす米山さん(左から2人目)ら登壇者

 

2024/01/15 09:15

 

 震災の記憶をつなぐ語り部が交流して学びを深めるサロンが14日、福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で開かれた。17日で発災から29年となる阪神・淡路大震災の語り部、米山未来さん(29)=川崎市=が伝承館の語り部と対話し、語り継ぐ意義を述べた。

 伝承館と神戸市の阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターの共催で、館内で開催中の阪神・淡路大震災に関するパネル展に併せて開いた。米山さんの語りと意見交換会の2部構成で実施し、同館の語り部ら約20人が参加した。

 米山さんは兵庫県淡路市出身で、生後2カ月で被災した。2019年からライブ配信で語り部として活動している。サロンでは当時の映像などを使って臨場感ある語りを披露し、「失われた命が教訓となり、災害への対応に生かされる」と減災への備えを呼びかけた。

 2部では伝承館職員で語り部の2人と意見交換した。米山さんは震災の記憶がないことから語り部を務めることに葛藤し、ためらった過去に触れた。それでも担い手がいなければ当事者が伝えてきた教訓が途絶えてしまうという思いから挑戦を続けているという。能登半島地震の被害を踏まえ、「もしも震災の教訓を届けられていたら、と思う。自分事として認識されるように震災の被害と教訓を語り継いでいく」と話した。

 

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