地域住民の憩いの場を いわき湯本温泉「うお昭」 クラウドファンディングで改修資金募る 福島県いわき市

 

協力を呼びかける草野昭大さん・幸永さん夫妻

 

2025/02/04 19:00

 

 福島県いわき市のいわき湯本温泉の旅館「旬味の宿 うお昭」は、2代目から3代目への事業承継に合わせ、宿泊客の憩いの場や地域住民の交流の場となるリラクセーションスペースを館内1階に新たに設ける。15日から3月31日までクラウドファンディング(CF)で改修資金を募る。3代目の草野昭大さん(39)は「宿泊客だけでなく地元の人も気軽に利用できるスペースとして運用し、地域に恩返しがしたい」と協力を呼びかけている。

 うお昭は1962(昭和37)年、魚屋を営んでいた草野昭一さんが創業し、新鮮な魚介類を使った料理が評判を呼んだ。2代目で現社長の昭男さん(69)みどりさん(69)夫妻は東日本大震災による建物の損壊、新型コロナウイルスの影響による観光客減少の危機を乗り越え、旅館を切り盛りしてきた。4月1日付で昭男さんの長男昭大さん・幸永さん(35)夫妻に経営をバトンタッチすることになった。昭大さん夫妻は世代交代を機に旅館の魅力アップに取り組む。

 リラクセーションスペースは約50平方メートル。漫画や雑誌を自由に読みながらくつろげるコーナーや、小さな子どもがおもちゃや絵本で遊べるコーナー、「駄菓子屋」などを設ける。地域の子育て世代の親と子を対象としたイベントや音楽のミニライブ、いわき湯本温泉のフラ女将がフラダンスを披露する場としても活用する。今年のゴールデンウイーク明けに着工し、6月ごろの供用開始を目指す。

 CFで得た資金は、宿泊料金にアルコールやソフトドリンクなど館内での全サービスを含んだ「オールインクルーシブプラン」の提供や、最新の予約管理システムの導入にも生かす。

 支援は3千円から受け付ける。支援を希望する人は「キャンプファイヤー」のサイトから申し込む。目標金額は100万円。金額に応じて「オリジナルブランドコーヒー」「いわきのおいしいもの詰め合わせ」「御宿印帳」「日帰り温泉券」「宿泊補助券」などの返礼品を用意する。問い合わせは同旅館へ。

 昭大さんは「自慢の料理の良さを守りながら新しいことにも挑戦し、温泉街の活性化に貢献したい」、幸永さんは「昼も夜もにぎわいのある場所になれば。宿泊客も地元の人も、老若男女も、どんな人でも受け入れていきたい」と意欲を見せている。

 

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