ふくしま復興再生道路「小名浜道路」8月7日全線開通 物流の円滑化や交流人口増加期待

開通に向け工事が進む、いわき山田IC付近=21日午後
2025/04/22 10:58

ふくしま復興再生道路として福島県が整備している「小名浜道路」は8月7日午後3時に全線開通する。福島県いわき市の小名浜地区と常磐自動車道を結ぶ8・3キロの自動車専用道路で、物流の円滑化や交流人口の増加につながると県や地元は期待している。内堀雅雄知事が21日、定例記者会見で発表した。
7月末までに完工する予定で、工事の進行具合を踏まえて開通日を設定した。経路は【地図】の通り。常磐自動車道に小名浜インターチェンジ(IC)を設け、接続する。
常磐自動車道いわき湯本、いわき勿来両ICから小名浜港までは現在、それぞれ約30分かかっているが、小名浜道路ができると半分以下の13分程度になる。物流が円滑になり、企業誘致を後押しする。小名浜港にはアクアマリンふくしまなどの観光施設もあり、交流人口の増加にもつながる。通行は無料。
ふくしま復興再生道路は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興加速を目的に8路線29工区を整備している。小名浜道路が開通すれば未開通は3路線の5工区となる。
■地元経済界からの歓迎の声
小名浜道路の開通日が8月7日に決まり、地元・いわき市の経済界や観光業界などからは期待の声が上がった。
小名浜地区を中心ににぎわい創出などに取り組む小名浜まちづくり市民会議の会長小沼郁亙さん(59)は「サッカーJ2いわきFCの新スタジアム構想など何かと話題が尽きない小名浜地区に、さらなるにぎわいと産業創出をもたらすだろう」と歓迎した。一大観光スポットのアクアマリンふくしまは7月に開館25周年を迎える。館長の古川健さん(62)は「首都圏や宮城方面からの利用促進で地元がさらに盛り上げがればうれしい」と望む。
磐栄運送は小名浜港へ直結するいわき泉インターチェンジ(IC)近くに本社を構える。会長の村田裕之さん(64)は「アクセスが良くなれば労働時間や経費の削減にもつながる」と受け止めた。
いわき市の内田広之市長は「開通により小名浜と常磐道間のアクセス時間が短縮され、交流人口の拡大や物流面の強化、市民生活の利便性向上など多くの効果を発揮するものと確信している」とコメントした。