浜通りテレワーク体験記 ~その3 楢葉町・田村市~

いわき市の北、双葉郡にある楢葉町には、グッドデザイン賞を受賞した交流施設や「サッカーの聖地」など注目施設でテレワークできます。

■「全町避難」から5年。楢葉町に生まれた交流館■

楢葉町は、原発事故に伴う避難指示で一時は全町避難になっていましたが、2015年9月に解除されて5年が経過しました。町内で、テレワークできる施設を2つご紹介します。

<1> 「みんなの交流館 ならはCANvas」

ならはCANvas」への行き方は、いわき駅から常磐線普通電車で約30分。竜田駅から徒歩約15分です。車であれば、国道6号をずっと北上すれば国道沿いの右側に見えます。

写真(大きな屋根が特徴です。)

1階が「みんなのリビング」。ゆったりしたチェアや本が並んでいます。畳でくつろげる和室スペースやキッズスペースもあります。地元住民がみんなで集えるようなつくりですね。

一人でゆっくり仕事したい場合は、2階がおすすめ。吹き抜けになっているので、景色が気持ちいい。個別にコンセントとライトが完備。静かにPCワークがはかどります。学生の勉強にも活用されています。

1階に「寄せ書き」がありました。

避難指示の解除から今年で5年。応援メッセージが掲げられていました。

2015年までは、町民それぞれがバラバラな場所に避難して住むことになりました。2016年10月から全9回の「お茶飲みワークショップ」で語られた町民の想いをもとに設計された施設で、その経緯についての説明看板もあります。

「一人でも気軽に来れるカフェのようなスペースがほしい」
「室内と室外を一緒に使えるといいな!」
「昔みたいに、地域のお年寄りに見守られて子どもが育つのがいいな!」などたくさんのアイデアが出たようです。

こうした原発事故からの復興・まちづくりを感じることができます。
開放的なデザインや、住民によるワークショップを通じた設計プロセスなどが評価され、2020年のグッドデザイン賞を受賞しました。

目の前には、ベーカリーやスーパーなど10店舗からなる「ここなら商店街」があるので、飲食には困りません。

<2> Jヴィレッジ

楢葉町で、もう一か所おすすめの場所は、約4キロ南にあるJヴィレッジ。男女のサッカー日本代表の合宿などが行われてきた「日本サッカーの聖地」です。

そして今年3月25日、東京オリンピック聖火リレーの全国スタートの地が、Jヴィレッジです。また「ならはCANvas」も初日のルートコース(第2区間)に入っています。

行き方ですが、電車で行けます。
「Jヴィレッジ駅」が2019年4月に臨時駅として開業し、常磐線全線開通に伴い2020年に常設駅になりました。

施設面積は東京ドーム約10個分と広大。
観客席付スタジアムや天然芝ピッチ8面、全天候型サッカー練習場などがあり、ゆっくり散歩の時間をとって回りたいものです。

決してサッカーをしなければ入れないわけではなく、だれでも気軽に利用可能です。もちろんWi-Fiバッチシ。宿泊施設が充実しているので「スポーツ&しごと」でグループ利用もいいでしょう。

2011年当時は、福島第一原発事故を受けて、事故収束のための「前線拠点」として使われていました。防護服を身にまとった作業員が、施設の部屋だけでなく通路まであふれかえり、芝生も鉄板を敷いた広大な駐車場に変貌してしまいました。

今は、日本最高クラスの芝生ピッチを見ながら、仕事をしたり、様々な思いをはせることもできます。敷地内には、レストランやカフェ「アメィゾン」もあります。

■元小学校。県内初の複合テレワークセンター■

ここから一気に西に約50キロ移動し、田村市のテレワーク施設を紹介します。

田村市は、行政区域としては「浜通り」ではなく、県中央部の「中通り」です。ただし、同市都路地区の一部が福島第一原発から半径20キロ圏内のため一時、避難指示区域となりました。そのため避難指示が出た「被災12市町村」の一つになっています。

廃校となった旧石森小学校を活用した「テラス石森」は、県内初の、サテライトオフィスなど複合テレワークセンターです。

簡単な行き方は、東北新幹線・郡山駅から車で30分で着きます。電車では、磐越東線・船引駅から徒歩30分ほどです。

高台にあるので、眺めが最高です。

センターは2018年3月に開所しました。
実は、2年前の開所当時、私は訪問しています。当時はまだ真新しくて「これから始まる」感じでした。

今回改めて訪れると、入り口に多くの入居企業が名前を連ねていて、実際に活動していました。また運営する一般社団法人「Switch」は、田村市における活躍の場の創出や空き家活用、移住相談も受け付けています。

元小学校という、木造や学びの雰囲気の良さを残しつつ、オフィス机もたくさんあってゆっくりテレワークできます。訪問時はイベントを行っていて、会議室のような個室でゆったりテレワークしました。

ただ実際は、テレワークよりは、入居企業による活用が多いようです。テレワークで訪れるには、入居企業との交流か、田村のまちづくりのイベントに参加することで、その後も継続して関わることができるようになりそうです。

田村市は、阿武隈高原の中央に位置し、2005年3月1日に田村郡7町村の内、滝根町、大越町、都路村、常葉町、船引町の旧5町村が合併して誕生しました。福島県の中核的都市である郡山市まで約30kmと近く、中通りにありながら浜通りとの結節点となる位置にあります。

地図をみるとわかるのですが、東北新幹線のある郡山駅からまっすぐ東に向かうと福島第一原発や「伝承館」のある大熊町に着きます。首都圏から原発方面へ向かうルートは、常磐線や常磐道を北上していわきを経て向かうのが一般的です。しかし、郡山から国道288号線の三春街道・都路街道を経て大熊町に向かっても、車で1時間半で着き、首都圏からの所要時間はむしろこちらの方が早いです。

そのルートの途中に「テラス石森」があります。今後増えるであろう東日本大震災・原子力災害「伝承館」などを、修学旅行や大人の学びとして見学する際、その最初かまとめの時間と場所として活用できるといいのではと思います。

<<今回紹介した施設のリンクはこちら>>

みんなの交流館 ならはCANvas(楢葉町)
Jヴィレッジ(楢葉町)
テラス石森(田村市)

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