巨大竜の壁画 コロナ収束願い込め浄土平レストハウスに
東京電力福島第一原発事故に伴い福島市に避難している浪江町の高野仁久(きみひさ)さん(59)は、市内の浄土平レストハウスに、竜を描いた巨大な壁画を掲げた。力強い竜の姿に、新型コロナウイルス早期収束の願いを込めた。
壁画は縦一・八メートル、幅八・二メートルで、施設二階の休憩室に飾られている。コロナウイルスを吸い込むイメージで、竜の横に大小の渦を描いた。
高野さんは東日本大震災前、浪江町で看板店を営んでいた。福島市に避難後、レストハウス統括責任者の浅見宗一郎さん(48)に誘われ、レストハウスで働き始めた。接客業務の傍ら、美術スタッフとして椅子やメニュー表をデザインした。昨年は浄土平の景色を描いた壁画を完成させ、浪江町に寄贈した。
レストハウスは、昨年のゴールデンウイーク(GW)は新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言を受けて休業した。今年も県外からの観光客は少なく、厳しい状況が続いている。
高野さんは「これまでの日常を早く取り戻し、気兼ねなく観光やレジャーを楽しんでほしい」と願っている。