葛尾村の絶景写真、撮影スポット巡りの旅

 

葛尾村の教育委員会に、素敵な方がいらっしゃいます。
上遠野伸一さんと言って、その土地の絶景をカメラに収めるために、時間を惜しまず足を運んでいらっしゃいます。
季節ごとに異なる風景を撮るために、例えば冬の雪山を登り、樹氷や朝日など素敵な写真を撮りにいくほどなのです。

そんな上遠野さんが先導役となって、葛尾村民と村内事業者に勤める人たちを対象に「村内名所・絶景写真撮影スポット巡り」が企画されました。
今年で2回目ですが、私荒井は妻とともに今回初めて参加させていただきました。

時は2020年9月6日の日曜日、若干雲は多めながらそれほど蒸し暑さもなく絶好の撮影日和となりました。

朝9時に葛尾村民会館に集合。
この日の参加者は我々2名を含め4名が参加しました。
コロナ禍で前回よりも参加者は少なかったようですが、このくらいがちょうどいいのかもしれません。
2名の案内役とともに6名で、いざ出発です!

葛尾小富士の別名を持つ竜子山の撮影地

「葛尾小富士」の別名を持つ「竜子山」

その別名のとおり、美しい山容からそう名付けられました。
ちょうどたわわに実った稲穂とともにフレームに収めることができました。
県道50号線からも美しい山容を見ることができます。

この山には悲しい伝説が残っていて、イノシシ退治に出かけた夫が帰って来ず、
竜子姫も一人で山に入って帰らぬ人となったという竜子姫伝説が残っていて、今でも人形劇で演じられています。

(編集部追記)
葛尾村の「たつ子姫物語人形劇団」が2020年2月28日に葛尾小学校で上演した「竜子姫伝説」の記録映像がありましたので、上記の「竜子姫伝説」をクリックすると人形劇をご覧いただけます。

五十人山の撮影地

県道50号線から北側の細い道を入った先に五十人山がきれいに見渡せる場所があります。
手前には里山の田園風景があるため、フレーム全体でも美しい写真を撮ることができます。
坂上田村麻呂が蝦夷征伐の折に五十人山の山頂にある大石に50人を座らせ戦略を練ったという伝説から「五十人山」と名付けられました。

蟹山登山口

もりもりランドにほど近い場所に蟹山の登山口があります。
登山口から登山道をみると、うっそうとした杉林が広がっていますが、下草が少ないため逆に見ごたえのある杉林になっています。
ここから山頂までは15分ほどしかかからないので、ちょっとした散歩にも適しています。
蟹山は北側から見たときに沢がカニの足に見えることからそう名付けられたそうです。

葛尾大尽松本三九郎一族の墓

葛尾大尽(大金持ちという意味)と呼ばれた松本三九郎一族の墓は磯前神社にありますが、ここは遺骨が埋葬されていない「参詣墓」です。
本当の墓は、大尽屋敷跡の脇を磨崖仏方面に坂を登る途中にあります。
その葛尾大尽の墓の周りには、家族などの墓が大尽の方を向いて並んでいて、大尽が慕われていたことがくみ取れるという話を上遠野さんからお伺いしました。

磨崖仏

300年以上前の1709年(宝永6年)頃、二代目葛尾大尽の松本重供の時代に彫ったと思われる磨崖仏があります。
高さ5~6メートルの大岩には、文殊菩薩・大日如来・阿弥陀如来・聖観音菩薩・地蔵菩薩・不動明王・虚空蔵菩薩の七体の仏様が彫られていて、参加者は磨崖仏の圧倒的な岩肌にシャッターを切っていました。

日山登山口

日山は、二本松市、浪江町、葛尾村にまたがる場所に山頂がありますが、葛尾村にも1か所登山口があります。
登山口には白い鳥居があり、登山者の安全祈願ができるようになっています。
日山は別名「天王山」とも呼ばれていますが、山頂の日山神社で疫病を退散させた牛頭天王を祀っていることからそう呼ばれるようになりました。

風越峠

葛尾大尽屋敷跡から西にまっすぐ進むと風越峠を通り田村市に入りますが、この風越峠から田村市の移ヶ岳が望めます。
最近周辺の木立が成長して視界を遮るようになってしまい、ちょっと残念なところです。

磯前神社

約500年前の1522年(大永2年)に建てられた神社です。
この神社の参道を登り切ったところの両脇に大杉がありますが、これは「高御座の夫婦杉」と呼ばれ、1688年(貞享5年)に植えられました。
また歴代葛尾大尽の墓石群もあり、インスタ映えする写真を撮ることができました。

ここでいったんランチ休憩です。
集合場所の村民会館に戻ってお弁当を食べたあと、上遠野さんが講師となり「いい写真を撮るための写真教室」が開かれ、みな熱心に耳を傾けていました。

板木の展望地

葛尾の中心部から北側にある板木という場所に小さな峠があり、ここから五十人山や蟹山などの葛尾の山々が見渡せます。

高瀬川・葛尾川渓谷撮影地

尾村中心部から浪江町との境界まで、葛尾村・高瀬川が流れていますが、ほぼすべての流れが美しい渓谷となっています。

「ざわめき」

川に沿って県道253号線が通っているため、通行するにも便利です。
途中「ざわめき」と呼ばれる場所は、渓谷美と紅葉のダブルスポットとしてこれから注目を集めそうです。

ざわめきから歩いて渓谷に降りたところ

手倉山の撮影地

県道253号線から手倉山がきれいに見える場所があります。
この山は阿武隈の秘境と言われていて高瀬川渓谷沿いにある登山口から急な登山道や岩場などを経て山頂まで1時間20分ほどかかる中級者向けの登山ルートとなります。

この撮影地からは残念ながら山頂は見えていないとのことで、奥の深い山と言えそうです。

掛札峠

国道399号線の掛札峠にほど近い場所に葛尾の山々が見える場所があります。
ただ、見える角度は狭く、山の名前は説明できないのですが、ホッと一息つける撮影スポットです。

そば畑

国道399号線沿いのそば畑で、一面に白い花を咲かせていました。
葛尾はそばの生産が盛んで、おふくろフーズで葛尾のそばを乾麺にして販売しています。

村役場前道標

葛尾村役場前の交差点に「道標」と言って道の方向などを示す標識が石柱で残っています。
『「東:浪江」、「北:葛尾」を経て津島、西:移へ至る』と刻まれています。昔からここが交通の要衝だったことを示していますが、いまは交差点の中でひっそりと佇んでいます。

ここまでで15時。朝9時にスタートしてから6時間が経ちました。
葛尾を一日回っても全部は回りきらないんですね。
葛尾の奥の深さを知った思いです。
また改めて撮影に訪れたいと思いました。

他の参加者からは、
「今まで行ったことのない場所ばかりで、葛尾の魅力を知ることができた」とか、「葛尾の美しい風景写真が撮れる場所を知れたので、季節を変えて天気のいい時に撮影に行きたい」などという声が聞こえてきました。

この撮影スポット巡りが来年も行われるかは未定ですが、この記事を読んだ方が実際に葛尾に訪れ、自然を満喫してもらえたらうれしく思います。

【今回の撮影スポット】

今回の撮影スポットをgoogle mapで見ることが出来るようにしてみましたので、葛尾村にいらっしゃる際は、是非参考にしていただければ幸いです。

今回の撮影スポット
(クリックするとgoogle mapでご覧いただけれます)

一般社団法人 葛尾むらづくり公社

投稿者プロフィール

葛尾村が東日本大震災及び原子力災害による長期にわたる避難からの復興に取り組む中、村民が主体的に活躍、交流できる機会や場の提供などを通じて、人と人を「繋ぐ」役割の中核を担い、村民の絆を維持するとともに地域資源を活かして新たなにぎわいと活力を創出し、交流人口の拡大と地域活性化を図ることにより復興と魅力あるむらづくりに寄与することを目的としています。

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