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親子で楽しめるイベントを飯舘村で 「山の向こうから」主宰・二瓶麻美さん
飯舘村地域おこし協力隊の二瓶麻美さんは、廃校になった村内の幼稚園で、「山の向こうから」というものづくりのイベントを、年に2回開催している。
元々幼稚園だった場所なので、子どもたちはもちろん、大人も伸び伸びと楽しむことができる。実は、「山の向こうから」の目的の一つが、「親と子が、それぞれ楽しめるイベント」。イベント会場内には託児スペースがあり、目の届く場所に子どもを預けてイベントを楽しむことができるのだ。
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福島県福島市に暮らしていた二瓶さんは、夫の貴大さんが飯舘村に包丁鍛冶の工房を開いたことで、飯舘村と縁ができた。
当初は、貴大さんの仕事のサポートとして飯舘村に通っていた二瓶さんだが、村の人と関わるにつれ、その丁寧な暮らしやものづくりへの思いに惹かれていった。
また同じ県内であるのに、昼間でも静かで原自然の残る飯舘村の土地にも魅力を感じていったという。
飯舘村に来る前は、保育士として約10年働いていた二瓶さんは、このような場所で、親子で楽しめるイベントができたらと、親しくなった村役場の人に相談したところ、地域おこし協力隊の仕事を紹介され、2019年12月から地域おこし協力隊として夫婦で移住し、飯舘村で働くようになった。
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二瓶さんが「親子で楽しめる」「ものづくりのイベント」をやりたいと思ったのには理由があった。保育所に勤務していた頃に、核家族や共働きの親たちの、余裕のなさを切実に感じていた。「親に余裕がないと、子どもも我慢してしまう。そういう姿を見てきて、親が笑顔だったら、子どもたちも笑顔になれる。少し日常を離れて、親と子が一緒に楽しめるイベントをつくれたらと思ったんです」。
そんな思いから、二瓶さんが主宰する「山の向こうから」では、託児サービスを提供している。親は子どもを預けてイベントを楽しむことができるし、子どもたちは、会場内の目の届くところに預けられているからいつでも戻って来られる。子どもも親の顔が見えるところで子ども同士で楽しんだり、もちろん親子一緒にものづくりを楽しむこともできる。
「託児サービス付きというのは、とても評判がいいです。そういうイベントを開催してる子どもにやさしい村と思ってもらって、遊びにきたり、住んでみようかなと思ったりする人が、少しでも増えたらいいなと思います」。
「山の向こうから」フェイスブックページより
イベントには約30団体が出店しているが、公募ではなく、二瓶さんが一組一組出店依頼を行っている。
そのこだわりのものづくり団体は、食材や製法にこだわったフードやドリンク、スイーツなどの飲食店、素材や作り方などに特徴のある作品やアパレルの物販など、見ているだけでわくわくするものばかり。過去3回で、各回400人~600人が来場しており、村の人たちも楽しみにしてくれるようになったそう。
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2022年5月3日4日には、4回目の開催を予定している。
コロナ禍以降、何度も延期や開催方法の判断をしなければならず、思いが揺れることもあるが、「飯舘村には、来てもらわないとわからない風景や思いがある」と信じて、オンラインや縮小ではなく、リアルで開催できるよう準備を進めている。
「こういう時代に子どもを育てている、お母さん・お父さんは宝だと思います。『子育て』と『ものづくり』はずっと私のテーマで、この飯舘村で親子で楽しめるイベントは、ずっと続けていきたいと思っています」と笑顔で話してくれた。
飯舘村が厳しい冬から目覚めるころ、晴れやかな気持ちで村を訪問できることを、ともに願いたいと思う。
文 山根麻衣子、写真 中村 幸稚
「山の向こうから」
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