南相馬市小高区 冬のイルミネーション

 

 冬の風物詩と言えばイルミネーション。そう答える人もきっと多いでしょうね。短い秋が終わると、日本中どこでもその地域の特色をもったイルミネーションが開催されます。

 キンと冷えた空気、かじかむ手、寒くて外に出るのがちょっと考えてしまうシーズンも、多様な光で彩られた場所は人を惹きつけてやみません。

 そんな冬のイルミネーションは、スポットとして語られることが多いと思います。南相馬市小高区の場合、「イルミネーションの町」と言っても過言ではない、そんな風景に溢れていまして、是非冬が訪れる度にふらりとこの町に訪れて頂けたらなと思っています。

 小高区のイルミネーションの中心となっているのが、こちら小高浮舟会館です。普段は何でもない地域の公民館のような場所なのですが、毎年11月になりますとこれでもかとばかりに飾りつけが行われ、「あかりのファンタジーイルミネーション」が開催されます。

 震災・原子力災害を経験した町です。セレモニーではそれに対しての思いが話されました。一人一人の胸中に流れる思いはきっと様々ですが、ですが経験の先にこうして皆とイルミネーションを楽しめることに、私個人は灌漑深いものがあります。

 そしてこのセレモニーを皮切りとして、町では思い思いにイルミネーションが始まっていきます。

(小高交流センター広場のイルミネーション)

 この浮舟会館の向かいには、小高交流センターという場所があります。飲食店、屋内運動施設、サーフショップ、いわゆる用途自由の交流空間と、南相馬市が運営する複合施設です。

そちらでは、町の若者たちが中心となって飲食ブースが設置され、イルミネーション+αも開かれました

 町の公共の場所ばかりではありません。時を同じくして、イルミネーションの町と言われるゆえんとして、町内の様々な場所で始まっていきます。

 こちらは、国道6号沿いにある地元企業の中里工務店さんの駐車場にあるイルミネーションです。張り子で作られたキャラクター達。どれこれも手作りです。この時期に限りまして、会社の駐車場は一般開放されていまして、誰もが自由に訪れることが出来ます。

 写真の建物の中には本来であれば入れるのですが、今年はコロナ禍の影響で残念ながら入れなかったのです、粋な計らいですね。こうしてコロナ禍が早く明けますようにと、アマビエさんが作られていました。

こちらは、なんと実際に中に乗れてしまう(コロナ禍の期間中は不可)こだわりになっていまして、小さなお子さんを連れたご家族で毎年にぎわっています。

 個人のお宅でもイルミネーションがされます。中には、写真のように凄い気合の入りようのお宅もあります。実はイルミネーションが映えるようにと、わざわざ家の中の明かりを抑えるといったこともされています。

 うわぁ凄いなぁと、思わず近くにいってみると家主の方とお会いしまして、「是非、写真撮っていってよ!」と、訪れたことをとても喜んでくれました。

 写真では伝わりませんが、実物は点灯したり、プロジェクションのように地面を照す仕掛けなどがあります。

 筆者は、実はこの小高町に2020年4月から移り住みました。冬の期間、毎日のようにイルミネーションで彩られる町を見てきました。親子連れで楽しむ皆さんだけでなく、どこからやってきたのでしょう。若いカップルの方々が楽しそうに二人で写真を撮る姿を何度も見てきました。

 そこには普段あまり知られることのない町の姿があるように思います。この町は震災・原子力災害で語られることが多い、そんなことを思いますが、一報でこうした美しい世界もあり、何やらほっこりする場面もあるのです。

(写真は、初めて小高区に遊びに来てくれた甥っ子)

 普段この町で暮らす一人の町民として、様々な思いで来られる方がいる一方、冬のシーズンになると、毎年行われる彩を沢山の方が是非味わって頂けたらと思います。夜の浜通りの楽しみ方、そんな風に覚えてくださったらと。

吉川彰浩地元記者

投稿者プロフィール

高校卒業後、福島県浜通りに移り住み、気が付けば20年が過ぎました。10代の頃の「何もない田舎だなぁ」という思いは、暮らしの中で「面白いことがいっぱいあるじゃない!」と変わっていきました。他地域の方々に、そういった暮らしの視点での魅力をお伝えしていきたいと思います。

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