南相馬市小高区 Café OdakaMicroStandBar ~オムスビ~

 南相馬市小高区のCafé?をご紹介したいと思います。「?」を付けたのは、訪れる度に、お客さん同士がやりたい事を語り合っていたり、店員の方に相談する場面に多々遭遇しています。普通のCaféとは違う雰囲気を感じていまして、店長さんに直接らしくない部分をお聞きし、それも含めてお伝えしたいと思います。

まずは場所のご紹介。福島県南相馬市小高区にそのお店はあります。最寄り駅はJR常磐線小高駅。駅を背にして、目の前に続く通りを真っすぐ歩き、最初の十字路にあります。

お店の名前は通称:オムスビ(OdakaMicroStandBar)のそれぞれの頭文字OMSBからきています)通りからは中の様子を伺うと、今時のCaféには珍しくBarスタイルになっていて、店員さんとお客さんとの距離が近く、常連の皆さんが定員の方と楽しそうにお話をしています。

カラカラと扉を引き、店内に入ると受付になっています。まずは注文をしてからお好きな席へというスタイル。ここは店長さんがとても凝り性、一言でいえば、メニューはコーヒー専門店です。見慣れない豆の名前のプレートが置いてありまして、そこから選びます。

コーヒー通の方でも、なんだろう?なるでしょう。通い続けていますが、固定の品種でありません。聞くと「コーヒーは作物なので1年間ずっと同じものが手に入るわけではないため、仕入れ先で扱っている豆も時期によって変わってきます。ただ、そうやってどんどん違う豆になっていくことで、新しい味や体験を提供できるのもコーヒー豆の面白いところです」とのこと。

 行くたびに新しい豆に出会える。そんなメニューになっています。

 さて、ここからはこのお店の本当の魅力をお伝えしたいと思います。お店に入ると不思議な感じを受けると思います。右手にはコワーキングスペースかな?と思える部屋がありまして、またその隣では何やらお仕事をしている空気が流れています。

 その理由はお店の主、森山さんの思いの形が表れているからです。「森山さん。そういやここってさ、Caféって表現であっているんだっけ」そう投げかけてみました。

  「ここはルイーダの酒場です!」とにっこりと答えられてしまいました。

 ルイーダの酒場??知らない方に向けて補足すると、ドラゴンクエストというゲームがありまして、そのシリーズのⅢに出てくる酒場の名称です。(経営者がルイーダさん)魔王を倒しに冒険に出る勇者が最初に訪れる場所で、冒険に向けて、戦士や魔法使いといった仲間を選び、パーティーを作る場所です。

 ルイーダの酒場は分かったけど、ちょっと何言っているか分からない。そんな声が聞こえそうですね。

 でも、このお店がある町、主人の森山さんの経験を知ると、納得してしまうと思います。

 お店がある南相馬市小高区は、東京電力の福島第一原子力発電所の事故により、一時避難区域となった町です。現在は避難解除し5年目になります。森山さんは震災をきっかけに、ITエンジニアの経験を活かせないかと東京から移住してきました。

 たった一人、見知らぬ土地に来て、地域に関わる。それは普通でも大変なことです、彼が身を投じた場所は、言うに及びません。

森山さんはどうしてルイーダの酒場(オムスビ)を作ったかを話してくれました。

 「原発事故で住民が0になった町で活動をするって、僕はドラクエのラスボスにレベルの低い勇者が立ち向かうことに似ていると思うんです。絶対無理ですよね。ドラクエだって、仲間を集めて、レベルを上げてラスボスに挑むんですから。なんていうか、自分の過去も振り返ってもそうなんですけど、目の前の課題を解決したくて思いだけで行動してしまっても、失敗もするわけで。。。そりゃ無理だなと。」

「現実の世界でも思いをもっては大切だけど、スキルも資金もいるし、やりたいってなっても一人じゃ中々難しいですし」

「だから、ルイーダの酒場が必要だなって思ったんです。仲間が作れて、そこで話したことをさぁやろう!と後押しできる、そんな場所が作れたらと。町にCaféが欲しいという意見があって。。人が交わることにこだわっていて、コーヒーは人と人を繋ぐモノ、そのモノにもこだわっています。カウンター形式もコミュニケーションを取りやすくする雰囲気のためなんです。」

 「ルイーダの酒場のルイーダさんって、きっと冒険者だったと思います」

 ルイーダの酒場を目指して作られた場所、どおりで話し声が多い場所か納得です。もちろん、森山さん拘りのコーヒーを静かに堪能しても良い場所。きっと、どなたにとっても行ってよかったと思える時間が味わると思います。是非、訪れてみてくださいね。

吉川彰浩地元記者

投稿者プロフィール

高校卒業後、福島県浜通りに移り住み、気が付けば20年が過ぎました。10代の頃の「何もない田舎だなぁ」という思いは、暮らしの中で「面白いことがいっぱいあるじゃない!」と変わっていきました。他地域の方々に、そういった暮らしの視点での魅力をお伝えしていきたいと思います。

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