福島県内「ステージ3」に悪化 県が外出自粛要請
県内での新型コロナウイルスの感染急拡大を踏まえ、県は十二日、独自の緊急対策として新型コロナ特別措置法に基づき全県民に対し、不要不急の外出自粛を求めることを決めた。期間は十三日から二月七日まで。さらに県内全域を対象に酒類を提供する飲食店に午後八時までの営業時間短縮を要請する。県内の感染状況について、政府の対策分科会が示すステージ3(感染急増)相当に悪化したと判断し、これまでより強い対策を打ち出した。
県庁で開いた県の対策本部員会議で決定した。感染拡大防止のため、県民の積極的な行動抑制を通し、人と人の接触機会を減らすのが必要だと判断した。県民への外出自粛要請は特措法二四条に基づく協力要請で、特に午後八時以降の徹底を求めている。緊急事態宣言対象地域をはじめ、感染拡大地域との不要不急の往来自粛も併せて呼び掛ける。
不要不急の外出には、医療機関への通院や食料などの生活必需品の買い出し、職場への出勤、屋外での運動や散歩など健康維持の活動は該当しない。不要不急の往来は、帰省や旅行などを想定しており、仕事や受験は対象としていない。
飲食店への営業時間短縮要請も特措法二四条に基づき十五日から二月七日まで対応を求める。営業自粛を求める時間帯は連日午後八時~翌日午前五時。キャバレー、スナック、パブ、クラブなどの接待を伴う飲食店と、居酒屋や料理店、バーなどの酒類を提供する飲食店・カラオケ店が対象。酒類の提供は午後七時までとする。
要請に応じた飲食店には一店舗当たり最大百四万円の協力金を支給する。要請期間に先立ち十三日以降協力する店舗も含め、二月七日までに連続して営業時間を短縮した期間が対象で、最長二十六日間とする。一日当たりの金額は四万円で、準備のために開始が遅れた場合はその時点から計算する。
県は県内で酒類を提供する飲食店を起点に感染拡大が急増した背景を踏まえ、飲食店に限定して対策を強化した。県内の一月一日から十一日までの新規感染者三百二十人のうち、約二割に当たる六十七人が飲食店関係による感染と確認されている。
県内の指標別の感染状況は【表】の通り。十一日現在の確保病床四百六十九床に対する使用率は61・6%で、ステージ4(爆発的感染拡大)の指標「50%以上」を大きく上回るなど、三つの指標でステージ3を超えている。県は一週間当たりの新規感染者数も急増してステージ3の指標に迫った点などを総合的に判断し、現状をステージ3相当に位置付けた。県は医療機関の負担を減らすため、軽症者や無症状者を受け入れる宿泊療養施設を現在の百六十室から拡大する方向で調整を進める。
内堀雅雄知事は十二日の記者会見で「今がまさに感染拡大を抑え込む正念場だ。命と健康を守り、医療崩壊を防ぐために協力してほしい」と呼び掛けた。緊急事態宣言については、現時点で対象地域への追加を政府に要請する段階ではないとの認識を示した。
【県の新型コロナウイルス緊急対策】
■県民への要請
▽内容=不要不急の外出自粛(特に午後8時以降の徹底)、緊急事態宣言対象地域をはじめとする感染拡大地域との不要不急の往来自粛。※通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、通勤、屋外での運動・散歩など生活や健康の維持に必要な場合を除く
▽期間=13日~2月7日
■事業者への要請
▽内容=午後8時~午前5時までの営業自粛(酒類の提供は午後7時まで)
▽対象=接待を伴う飲食店、カラオケ店を含む酒類の提供を行う飲食店。※総菜、弁当などの持ち帰り専門の店舗、スーパー、コンビニなどのイートインスペースを除く
▽地域=県内全域
▽期間=15日~2月7日(13日または14日から協力した場合、当該日を始期として算定する)
▽協力金=最大104万円(1日当たり4万円)
▽相談窓口=県時短要請コールセンター(平日午前9時~午後5時) 電話024(521)8622