FCVで移動販売 福島県双葉、浪江両町 帰還促進と脱炭素化へ イオン、トヨタと協定
移動販売で使う水素燃料電池車
2022/05/31 20:45
福島県双葉町、浪江町、イオン東北、トヨタ自動車は6月10日から、双葉、浪江両町の計10カ所で、水素で走る燃料電池車(FCV)を使った移動販売を始める。トヨタ自動車によると、水素燃料電池車を用いた移動販売は世界初。東京電力福島第一原発事故の帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)も含まれており、避難指示解除を控える両町の買い物環境を整えて住民の帰還を促し、脱炭素化にもつなげる。
イオン浪江店を拠点とし、復興拠点内のJR双葉駅東口、避難指示解除済みの双葉町産業交流センター前、浪江町の幾世橋、棚塩、立野、川添、苅宿、請戸、上ノ原、高瀬の各地区を巡る。将来的には来春の避難指示解除を目指す浪江町室原、末森、津島の3地区でも販売を予定している。
商品は野菜や果物、弁当や総菜などの食品、日用品や医薬品など最大約500品目を販売する。住民の要望を聞きながら、販売商品を変更していく。
車両は水素で動くトヨタのFCV「MIRAI」の動力源を載せた特注のワゴン車。浪江町にある世界最大級の水素製造実証拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造した再生可能エネルギー由来の水素を一部活用する。品質を保つため、車内に冷蔵庫や冷凍庫、保温庫を備える。
31日、4者が移動販売実施に伴う協定を結んだ。移動販売は平日午前10時から午後4時までで、1日4カ所程度を巡る。1カ所の滞在時間は約1時間の予定。10日は浪江町請戸地区のみで実施し、13日から本格運用する。ルートは曜日ごとに異なり、イオン東北が今後、詳細な場所や時間を公表する。