浜通りの青空と、新しいエネルギー

■富岡町の青空と、原子力発電

2020年の冬はとても寒く、日本海側は連日のように雪に覆われていた。
ある日、『寒さで電力需給厳しく 節電へ協力呼びかけを』というニュースを目にした。 ふと、同じようなニュースを2011年3月に耳にしたこと思い出す。

インターネットでは、切迫する電力需要に対してどうやれば節電ができるのか、その具体的な方法がアップされていた。その広がりは、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に由来して「ヤシマ作戦」と名付けられた。

その日私は、東京の電力が福島から供給されていることを初めて知った。

東京から何もできず心を痛めるだけだった私が、なにか力になれないかと、テレビや電気を消して夜を過ごした。

福島県富岡町。
いまでは、避難指示も解除され、富岡~浪江間で不通が続いていたJR 常磐線と運転を再開している。

富岡町には新しい駅が誕生し、海にかかる橋が建造されていた。
青い空と海。その海岸沿いに、廃炉が決まった福島第二原発が見える。

この町は、私と関係のない場所ではない。
当時、私たちの灯りは、福島の原子力発電所だから供給されていたのだ。

悲しみを超え、町は未来に向けて進みだしている。
新しい富岡町が生まれているのだ。
いま、私にできることは、何だろう。
新しく生まれるこの町を再び訪れ、町の人々と交流し、思い切り楽しむことだろうと思った。

■いわき市の青空と、太陽光発電

福島県全体を、新たなエネルギー社会のモデル創出拠点とする「福島新エネ社会構想」がスタートしている。
新しいその一つに、太陽光発電がある。
太陽光発電は、その名の通り、太陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方法だ。

とまとランドいわきには、追尾型の太陽光発電システムが設置されている。
導入されている太陽光パネルは可動式で、太陽の動きに合わせてパネルの向きを自動的に変化する。設置されているパネルは国内最大級だ。

追尾型の太陽光パネルは数分間に一度、オーケストラを奏でるように、「どーーー」という低い音と共に動く。
不規則に動く太陽光パネル。
自然とテクノロジーが融合した景色は圧巻だ。

そして、太陽光発電のパネルの足元には、ブロッコリーなどの野菜が育てられていた。

「営農型ソーラー施設」として、農作物の栽培に加えて、売電収入にもつなげている。新エネルギーと共に、新しい農業の形を生み出している。

■田村市の青空と、風力発電

桧山高原へ向かう車のなか、紅葉に輝く山々の先に風力発電が見ることができた。

福島県田村市、標高900~1,000mの桧山高原に風力発電が並んでいる。阿武隈の雄大な山々に囲まれて風車が風をとらえている姿は、異様な景色であるはずなのに、自然に溶け込んでいて美しい。

風力発電は、「ブレード」と呼ばれる羽の部分に風が当たると、その回転を速度をあげて「発電機」で電気に変換している仕組みだ。
発電された電気は塔体の中を通って、送電線を通って届けられる。

自然界に当たり前にある「風」を、エネルギーとして利用する時代。
原子力発電はとても安定したエネルギーを供給することができ、私たちの産業を発展させてきた。

一方で風は必ずしも安定して吹くということはない。しかし、技術の発達により、自然エネルギーがもっと当たり前にする日が来るだろう。

青空と共に湖に映る風力発電。
未来には、このような景色は当たり前になるかもしれない。

持続可能な社会に向けて、太陽光発電や風力発電の新エネルギー技術は発展し続けている。

私たちの暮らしのなかで使う電気が、どのように発電され、供給されているかを日頃から意識することは少ない。

福島県浜通りで訪れた3つの発電所は、自分の暮らしの中で使う電気について改めて考えさせられた。

私たちは電力会社や料金メニューを自由に選択できる権利がある。どのようなエネルギーを選択すべきなのか。改めて考えてみたいと思う。

茅野 しおりトラベルライター

投稿者プロフィール

IT企業でPRの仕事をしながら、アロマセラピーの勉強をしています。
田舎育ちなので、自然が好きです。

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