葛尾村の各行政区の特徴

葛尾村は、次の11の行政区から構成されています。また、この行政区が昔からの集落に概ね対応しています。本記事では、行政区ごとに、地理的・文化的特徴をまとめていきます。

A. 上葛尾

 上葛尾は葛尾村の最西端に位置する行政区です。雄大な自然が広がっており牧場などが見られます。下葛尾との境界あたりにモリモリランド(現在閉鎖中)というキャンプ場があり、同行政区に位置している蟹山に登ることができます。

B. 下葛尾

 下葛尾は上葛尾の東に位置する行政区です。下葛尾には、葛尾大尽屋敷跡公園という葛尾村指定史跡があります。葛尾大尽屋敷という名前は、信州葛尾城主だったと伝えられる松本勘ヶ由介の末裔が現在の葛尾村に移り住み、生糸や製鉄業などで巨大な富を築き「葛尾大尽」と呼ばれたことに由来します。「葛尾村」という村名や村民の過半数を占めると思われる「松本」姓のルーツには、この大尽屋敷があります。

C. 上野川

 上野川は上葛尾と同じく、葛尾村の西端に位置している行政区です。郡山方面から三春線を通って来ると最初に入る行政区になります。隣町の田村市船引町との境には「葛尾小富士」とも呼ばれる竜子山があります。村内から西を向くと見える竜子山は、多くの葛尾村に関わる人たちの中で、葛尾村の象徴とも言える存在になっているのではないでしょうか。

D. 野川

 野川は上野川の東に位置する行政区です。郡山方面から野川線を通って来ると最初に入る行政区になります。野川には当団体が運営する民泊施設ZICCAがあります。葛尾村を訪れる学生のほとんどはZICCAに滞在するため、彼らにとっての葛尾村の拠点は野川になっているのではないかと思われます。

E. 広谷地

 広谷地は下葛尾の東に位置する行政区です。2016年から当団体が行っている田植え・稲刈りイベントは、広谷地の田んぼをお借りして開催しています。また、広谷地には「広谷地B遺跡」という県指定の文化財があります。この遺跡からは縄文時代の土器などが出土しており、数千年前から葛尾村では人が生活を営んでいたことが推測されます。

F. 落合

 落合は、野川の東、広谷地の南に位置する行政区です。落合には、役場や消防署、小中学校といった行政機能が集約されています。また、村内企業の分布を見ると、商店や飲食店などのサービス業を営む企業が落合に集中していることが分かります。このようなことから、葛尾村の行政的・商業的中心であると言えるでしょう。

G. 野行

 野行は、広谷地の東に位置する葛尾村最東端の行政区です。現在も東日本大震災による原発事故の影響で帰宅困難地域となっています。車による通行は可能で浪江方面に移動する際は多くの人が野行を通る県道50号線を利用します。また、野行には、たたら製鉄が行われていた歴史もあると言われています。

H. 大笹

 大笹は、落合の東、野行の南に位置する行政区です。葛尾村の航空写真を見ても分かる通り、特に畜産が盛んな地域になっています。今年の夏には、野川にあるZICCAに大学生が1か月ほど滞在しながら、大笹にある養鶏場でバイトをしていました。

I. 岩角

 岩角は、大笹の東、野行の南に位置する葛尾村東端の行政区です。岩角を含めた周辺地域では、満州からの引き揚げなどに伴う戦後入植が盛んに行われました。入植者が自ら山林を開拓した部分も多い地域であるため、舗装されていない砂利道なども多く存在しています。

J. 夏湯

 夏湯は、落合の東、大笹の南に位置する行政区です。夏湯を含めた周辺地域では、震災以前まで林業が盛んでした。それを象徴しているのが野川から続くトロッコ道です。数十年前までは木材等を運ぶため、トロッコを利用していた跡があります。

K. 大放

 大放は、夏湯の東、岩角の南に位置する行政区です。戦後開拓者が多く、林業が盛んな地域でした。野川のZICCAの大家さんでも年に1度行くか行かないかということなので、同じ葛尾村の中でも全地域で頻繁に交流が行われているわけではないことが分かります。県道253号線を通じて、こちらからでも浪江に抜けることができます。

行政区クイズ

 ここまで各行政区の紹介をしてきました。皆さん、行政区を覚えることはできましたでしょうか。ここで行政区クイズを出したいと思います。回答した方は記事の最初にある画像で答え合わせをしてみてください。

行政区の位置関係を覚えると実際に葛尾村を訪れた際に見える景色が変わるかと思います。次からの記事は、このような行政区から構成されている葛尾村の文化や歴史についても発信していきます。

下枝浩徳地元記者

投稿者プロフィール

一般社団法人葛力創造舎 

葛力創造舎(かつりょくそうぞうしゃ)は、通常なら持続不可能と思われるような
数百人単位の過疎の集落でも、人々が幸せに暮らしていける経済の仕組みを考え、
そのための人材育成を支援する団体です。 葛力創造舎の「葛」は、福島県双葉郡葛尾村の葛です。原発事故により全村避難となった葛尾村。 震災前も1,500人しかいなかった村の人口は、避難指示解除後100人まで減り、将来も300人程度と
見込まれています。いずれ消滅すると思われてしまう規模でしょう。 しかし私たちは、300人の村でも人々が幸せに暮らしていける方法を模索すべきだと考えます。 そのためには、地域の資源を使って事業を起こし、収益をあげて地域に再投資する仕組みをつくること。 そして、その循環を可能にする人材を育成することが必要です。 葛力創造舎はそれらを使命とし、葛尾村をはじめ、極端な過疎に悩む福島県双葉郡の
原発事故被災地を中心に活動しています。

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